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さんぽみち

いつのまにか、やかましいセミの鳴き声も聞こえなくなり、涼しい風が吹くようになった。

毎日の日課で、散歩をしている。
息子は三輪車。娘は抱っこ。
そして、ばぁばと柴犬2匹。
近所ではちょっと有名(?)なお散歩軍団。

往復距離 約2.5km 5000歩くらい。
大人や犬にとっては、毎日のウォーキングにちょうどいい。

息子にとって、"おさんぽ"は毎日新鮮でわくわく発見の連続。同じ道を歩いているが、立ち止まる場所は日によって違う。

玄関を出てカエルやチョウチョウがいれば、家を出るまでに30分かかることもある。

やっと出発!と思ったら、
"歩きたい!"、"三輪車に乗りたい"、"三輪車を押したい"、"一人で歩くから離れてほしい"…。

次々に思いが出てきて、進まない。
わたしは「うんうん、そっかそっか」とひたすらに応える。でないと、もっと進まないから…。

おさんぽコースは農道で、田んぼや柿畑、梨畑などがある。

この前、散歩中に柿畑を見て、息子が突然つぶやいた。
「あ!あか、なった!」
見てみると、柿がオレンジに色づきはじめていた。いつも気にせず、通過しているように思っていたが、しっかり見ていたことに驚いた。
「ほんとだね!色が変わってきたね!」とわたしは、一緒に驚き、気づけたことを喜んだ。

息子は、その日から柿を見て、
「あ、またあった〜。」「おいそー(おいしそう)」とニコニコしながら、話をしてくれる。

ちょっと進んで、小川に小石が偶然落ちた音を聞こえた。わたしの顔を見て、にこーっと笑い、無言で小石を拾い、投げ入れる。
"ぽちゃん"
またまた、ニヤニヤ。嬉しくてたまらない顔。
そこから、15分。ひたすら投げ入れていた。

投げる→転がる→落ちる→音がなる

この工程が楽しかったらしい。
満足すると、また歩き出した。

季節が変わると、もちろん景色や道中に落ちるもの、草木も変わってくる。
息子は、何かを見つけると、「これ、なんだあ〜??」と不思議な顔をする。この表情が、なんとも可愛らしくて大好きだ。

散歩といえば、歩きたいとなるが、子どもにとったら、そうとも限らない。
家の中ではできない経験が、そこにはたくさんある。
落ち葉を踏む、葉っぱをちぎる、砂に触れる、小川に石を投げ入れる…。
一つひとつが不思議で、発見がある。
わくわくと心を弾ませて、実験する姿。
2歳といえど、真剣な眼差し。
『早く進もうよ〜』と言いたくなるが、ぐっと堪える。心の中で叫びながら、見守っている。
そこに、かえがたい経験がきっとあると思うから。

これから、どんどん涼しくなり寒くなる。
『今日はどんな発見をするのかな?』と
楽しみに散歩に出かけている。

秋が深まりススキの穂がフワフワになるのが待ち遠しい。


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