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3分で読める眠りにつく前の話

『待ち合わせ』

週末、ばあちゃんと買い物に行こうってことになったんだ。ハタチも過ぎて身内と買い物なんて恥ずかしいよ、って思いもあるんだけど、俺初孫だしさ、ちっちゃい頃いつも味方してもらってた思い出が消えないのかも。ばあちゃんの笑顔は今でも好きだ。電話をかけて待ち合わせの場所を確認した。


「じゃあ、時間はお昼前の11時にしようかね」
「オッケー、わかった。場所はどこにする」
「△△駅の改札出たところで待ち合わせようか」
「うん。でも改札っていくつかあるよね?」
「そうだったねぇ。じゃあ、ほらあの食堂の前にしようか」
「食堂じゃわかんないよ。店の名前は?」
「いや〜なんやったかねぇ。もし会えんかったら電話するからいいよ」
「携帯持ってないじゃん。俺からはかけられないし」
「大丈夫。公衆電話からかけるよ。番号は090ー…で間違いなかったかね?」
「あってるあってる。俺も11時ごろに改札回って探すようにするから」
「じゃあ土曜日にね」
「うん。日曜じゃなく、ど・よ・う・び、にね」
「はいはい、わかってますよ。じゃあおやすみ」
「うん、おやすみ」

心配いらなかった。土曜の待ち合わせ時刻、はじめに出た改札で会えたよ。
ばあちゃんは改札を出たとこのジョイフルの前に立ってた。

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