旅の醍醐味

「乗り遅れちゃならないというミーハーな気持ち」や「負けず嫌いな気持ち」を満たすための旅って、それはそれで意味はあるけど「成長」の旅というより「人の経験をなぞる」旅でしかないって思ってる。

普段興味ないタイプが、せっかくだからと史跡名跡には行っちゃいがちだよね。
下調べ無しで、行った先で興味あるところを見つけてそして訪ねれば、その時点でオリジナルな旅になるのにな。
そこが魅力的な旅先だったら見落としたところがあったらまた行けばいいもんね。

路頭に迷うかも知れないけど、宿を決めずに行く旅をよくしていた。これは実に面白かった。
現地に到着してから駅員さんに教わった観光案内所をたずね、そこで知った宿にご厄介になる。そんな旅。

この方法の旅で思い出すのが「相撲やプロレスの巡業時に選手が利用するという宿」。食事の質と量が素晴らしかった。
GWだったのに一泊二食付で二十畳くらいの巨大な部屋で5〜6,000円くらいだったし。
観光ガイドブックにはまず掲載されない、ネットでも相当調べないと出てこないような市街地からはやや遠い宿。
いい出逢いと発見だったな。いまでもあるのかな。

みんなが簡単に知るような宿は、上等で快適かもしれないけど、地方の趣のある場所に出かけてるのに立派なホテルなんて泊まったら情緒に欠けるというか、大都市の駅前のホテルと変わらないじゃん。って思っちゃう。もちろん用途によるから否定はしないけどね。

「目的を持たない旅」というか「目的が旅」であることも好きだ。
「名所を見て名物を食べてお土産を買う」
たまにやってしまうけど、これって「お醤油切らしたからスーパーに行く」のスケールを大きくしたバージョンみたいに感じる。
一位である目的を遂行してしまったら満足しちゃってあとは惰性になりかねない。

地図なしでちょっと迷って面白い路地をみつけたり、観光客は誰も行かないような地元密着の定食屋にフラッと入ったら凄い美味しかった。
みたいなのが楽しくて仕方ない。
遠く離れた街の商店会のオヤジがまさかの大学の先輩。妙に話が盛り上がり、あげく温泉のチケットをもらった。なんて奇跡的なこともあった。

意図的に操作された情報(有名店?誰が決めた? 名店? 誰が決めた?)に左右されるのはつまらないので、「自分のセンスと運を信じて動くべし」。
時々思い出してハッとなることがある。

あとSNSやブログのために旅をするのはあまり好まない。
「経験を整理したものをタイミングよくアウトプットする」のがオトナだと思うんだ。アウトプットのためのインプットは病的だし、入力したからといって右から左に出力しなくてもいいよね。
写真や情報を垂れ流すのは自分は満たされるけど、どうにも熱病を媒介する害虫みたいな感じがするのでなるべく気をつけるようにしてる。

説教くさいけど少なくとも自分には厳しくありたいんだ。

GIO.

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