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DIE WITH ZERO

★人生で一番大切なのは、思い出を作る事。
この本のテーマ→童話「アリとキリギリス」。永遠に働くアリはいつ遊ぶ事ができるのか?

・ルール1 「今しかできないこと」に投資する

人はいつか死ぬ。だからこそ限られた時間の中で最大限に命を燃やす方法を考える必要がある。
人生の充実度を高めるのは「その時々にふさわしい経験」であり、いつ何に時間とお金を使うか。これを踏まえて、「自分が何をすれば幸せになるかを知り、その経験に惜しまずお金を使う事」が必要。

節約ばかりしていると、そのときにしかできない経験をするチャンスを失う。
その結果、世界が必要以上に小さな場所になってしまう。なぜなら人生は経験の合計だから。

ここで指す「経験」とは「ポジティブな経験」のことであり、経験を最大化する事で「最大限に人生を楽しむ」ことができる。

「明確な将来の計画を持ち、同時に今を楽しむことも忘れない」という生き方をしよう。
その為に必要なのは、「人生で何を経験したいのか真剣に考えること」

・ルール2 一刻も早く経験に金を使う

人生は「経験の合計」であり、あなたが何者なのかは毎日・毎週・毎月・毎年、さらには人生に一度の経験の合計によって決まる。

人生の最後に残るのは思い出だ。身体が弱って思うように行動ができなくなっても、それまでの人生を振り返ることで、大きな誇りや喜びを味わい、甘酸っぱい思い出に浸ることができる。

だが実際一般的に耳にするのは「老後に向けて貯金しよう」というメッセージ。
現代の社会では、勤勉に働いて、喜びを先送りすることを美徳とする「アリ」のような生き方の価値が持ち上げられすぎている。
本来、キリギリスはもう少し節約すべきだし、アリはもう少し今を楽しむべき。

株投資の利点は複利で運用できる事。これは経験による記憶にも当てはまり、「記憶の配当」を意識すべき。株の配当はお金を与えてくれるが、経験による「記憶の配当」では、その瞬間の喜びだけではなく、後で思い出せる記憶が得られる。

実際、老後になって最も価値が高まるのは思い出であり、元の経験から副次的に何かが生まれる経験は雪だるま式に増えていく。喜びを得られるだけでなく、その経験が自分の行き詰まる現状を打破してくれるきっかけになるかも知れないのだ。

結論、とにかく早い段階で経験に投資すべき(早い段階とは「今」)
「今」それをしないリスクを考えよう。

★50歳にもなって素っ気ない二段ベットで寝ながら、30㎞もあるバックパックを背負って電車に乗ったり町を歩いたりする事はできない。
年をとってお金が解決できる年齢になったとしても、仕事の立場がレベルアップしている・熱量や体力の問題などを理由に、やりたくてもできないタイミングが来る。
その経験は借金してでも今すべきではないのか?
どれだけ大金を積まれてもその思い出を消そうと思わないような経験を作ろう。

・ルール3 ゼロで死ぬ

人生を存分に楽しむためには、無意識的な自動運転を辞めて、自らの意思で思う方向に操縦していかなければならない。
莫大な時間を費やして働いても、稼いだ金を全て使わずに死んでしまっては、人生の貴重な時間を無駄に働いて過ごしたことになる。その時間を取り戻すすべはない。

「生きているうちに金を使い切る」こと、つまり「ゼロで死ぬ」を目指して欲しい。

長期的に計画を立てて行動するより、短期的な報酬・自動運転モードで生きる方が楽なのを理由に、「なんとなく必要以上のお金を貯め込んでいたり、必要なだけためていない」

ちなみに「仕事が好き」だから・・という人も同様で、「ゼロで死ぬ」を目指すべきである事に変わりは無い。仕事を喜びの源泉だと見なしている人であっても、仕事とは無関係の経験にある程度の時間を費やすべき。
いくら若い内に仕事に費やせる時間が長くても、年を取れば取るほど同様の時間の使い方ができなくなってくるからだ。

必要以上にため込むこと。金を使うタイミングが遅すぎるのが問題。

FRBの最新の調査(アメリカの純資産に関して)でわかった事に、70代になっても人々はまだ未来の為に金を貯めようとしている。つまり、現役時代に「老後のために貯金する」と言っていた人も、いざ退職したらそのお金を十分に使っていない。

なぜ退職者は老後の早い段階でお金をたくさん使おうとしないのか?
答えはいくつもあるが、「意思はあるものの、年を重ねるごとにやりたいことが変わり、意欲も薄れていく」ことが挙げられる。ようは「年をとると人は金を使わなくなる。」

アメリカ労働統計局が実施した消費者支出調査によると、医療費も含めて、年をとればとるほどお金を使わなくなっている。つまり、高額な終末医療に備えて多額の貯金をするのは大多数の人にとって現実的ではない。

今の生活の質を犠牲にして、最後の数日・数ヶ月を生き延びるのに必要な医療費を貯めるために備えるのは大きな間違い。

どんな手段で得たものであれ、お金は生きた使い方をするべきである。

・ルール4 人生最後の日を意識する

早死にするリスクを「死亡リスク」 予想よりも長生きする可能性は「長寿リスク」と呼ばれている。
私達の寿命の両端には、早く死にすぎてお金を無駄にしてしまうリスクと、長く生きすぎて金が足りなくなるリスクがある。この2つのリスクへの対処法を理解しておく必要がある。

対処法
「死亡リスク」→生命保険
早死にで家族を困窮させるリスクを回避するために入るもの。あなた一人では保険代理店に勝つことはできない。

「長寿リスク」→長寿年金
長生きしすぎて資産を使い果たしてしまうリスクから「加入者本人」を守る為のもの。投資として考えるものではなく、保険という扱いで考えるべき。
長寿年金の仕組み
60歳の時点で50万ドルの長寿年金を購入したとすると、50万ドルは全て保険会社が保有することになる。その見返りに、残りの人生の月々の支払いが保証される(例えば毎月2400ドル)
途中で亡くなっても掛け金は払い戻されないかわりに、毎年購入額の4%以上の支払いを得られるもの。これは自己資産を毎年4%切り崩す場合と違って、支払いは生きている限り保障される。

このように「死ぬ前に資産が尽きないようにしながら、生きている内に金を使い切る方法はある」

とにかく私達の問題は「できる限り人生を充実させるにはどうすればよいか」
「富の最大化ではなく、人生の喜びを最大化する為の方法を探すこと」

人は死が迫っていないと合理的な判断ができない。人生の残り時間を意識することで、限られた時間とエネルギーをどう使うべきかを真剣に考える必要がある。

Final Countdownというアプリでは、自分の推定死亡日までの日数をカウントダウンするものとなっており、死を意識する事で、人生という限られた時間の大切さを再認識しやすくするアプリもある。

・ルール5 子供には死ぬ「前」に与える

子供達に与えるべき金を取り分けた後の残りの「自分のための金」を生きている内にうまく使い切るべき。
さらに言えばあなたが死ぬ「前」に財産を与えるべき。

FRB(連邦準備制度理事会)の調査によると、人が遺産を相続する時のもっとも一般的な年齢は、あらゆる所得層において60歳前後でピークに達する。
事実、偶然に任せると、子供達は相続したお金を最大限に活用できるタイミングを逃しやすい。
「いつ」「誰に」「いくら」財産を与えるか意図的に考えて、自分が死ぬ前に与える。それこそ本当に子供を大切にし、自分よりも優先して考えていることに他ならない。

20代に貰う1000万円と70代に貰う1000万円では、その後の人生に与える影響が違う。
譲り受けた財産から価値や喜びを引き出す能力は、年齢と共に低下する。

「親が財産を分け与えるのは、子供が26~35歳の時が最善」

幼少期に親から十分な愛情を注がれた人は、成人後も他人と良い関係を築け、薬物中毒になったりうつ病を発症したりする割合が低くなる。また、中年になっても健康状態が良好で、うつ病の発症レベルが低いことが明らかになっている。

子供の人生を豊かにするのも「金」では無く、一緒に過ごした「経験」

経済学者が教育への投資収益率を数値化した結果、中等教育以上の教育が社会にもたらすリターンは年間10%を上回っている。つまり、教育団体の慈善団体に寄付をする意図があるなら、さらに資産を増やしてから(死後に寄付するなど)は非効率である。

寄付をするつもりなら「今すぐに」お金か時間を捧げよう。
行動は早ければ早いほどよく、時間は待ってくれない。

・ルール6 年齢にあわせて「金・健康・時間」を最適化する

多くの経済学者も言うように、今稼いでいる金を貯金するのでは無く使うべき。
しかし、「お金を使う事」=「記憶の配当」では無い。
★「「今しかできない経験」(価値のあるものだけ)への支出と、将来のための適切なバランスを取ること」が最も大切。
そしてこの支出と貯蓄のバランスは年齢と共に変化していく。

例:若い頃に借金をしてでも海外旅行に行くことは取るに値するリスク。なぜなら年をとれば子育てや仕事で簡単にできなくなるから。
若く、これから数年間で収入の増加が十分に見込めている時、収入の20%も貯蓄することは馬鹿げている。

人生の残り時間によって、今を楽しむことと将来に備えることとのバランスを最適化していこう。

健康はお金よりも大切。
「健康上の問題は年齢が上がるにつれて大きな制約になり、高齢者では最大の制約になる」

健康で体力のある内にお金を使った方が良い。なぜならお金から価値を引き出す能力は、年齢と共に低下していくから。

★経験から価値を引き出しやすい年代に、貯蓄をおさえてお金を多めに使う。この原則に基づいて、支出と貯蓄のバランスを人生全体の視点で調整すべき。

今お金を使うべきか迷ったら
例:旅行 今年旅行に行くか、X年後に2回行くか
今できる経験を2回する為に、本当に10年も待つべきなのか。

※この検討は当然繰り返し行えるものでなければならず、結婚式や家族の卒業式など一生に一度のイベントは対象外となる。
もちろん先送りにすることで楽しみが増える経験もある。

「金」「健康」「時間」のバランスにおいて、最も重要視すべきは「健康と時間」
それが人生の満足度を上げるコツだ。

単なる怠慢によって健康が害されることがある。年齢をとればとるほど、元に戻すのが極めて難しい。
あらゆる年代で「健康の年齢は人生を改善する」

若い頃に健康に投資した人ほど得をする

中年期には金で時間を買うべき

時間を作るために金を払う人は、収入に関係無く、人生の満足度を高めることが分かっている。

・ルール7やりたいことの「賞味期限」を意識する

全ての物事は永遠に続かず、いつかは色褪せ、消え去っていく。
どんな経験でも、いつか自分にとって人生最後のタイミングがやってくる。
ティーンエイジャーの自分、大学生の自分、独身で気ままな暮らしをしている自分、幼子の親である自分など、どの自分もいつかは終わりの時を迎える。
すなわち、「人生の過程で小さな日をいくつも体験する」ということだ。

私達の人生における段階ははっきりとした合図がない。
幼なじみの友人と最後に外で遊び回ったのはいつだろう?
学生時代の恩師が他界する前に最後に言葉を交わしたのはいつだろう?
正確な日付をなんとか思い出せたとしても、おそらくそれが最後の機会になるとは思わなかったはずだ。
つまり、「ある段階でしかできない経験を先延ばしできるのは、その段階が終わるまでに限られる」のだ。

だが実際、私達が思っているほど先延ばしできない経験は多い。
喜びを先延ばししすぎた後悔は、人生の終わりに一度だけ味わうのではない。それは長い人生の中で、何度も繰り返し頭に浮かんでくるもの。

死ぬ前に後悔することトップ2
(オーストラリア ブロニー・ウェアの「5つの後悔」ブログ記事から。大きな話題後、書籍化もされている。今回はその5つの中の2点が本書と被っていたので記載)
それは・・
・「勇気を出してもっと忠実に生きればよかった。」
・「働き過ぎなかったらよかった。」

人はもうすぐ失う、すなわち「終わり」を意識すると、その時間を最大限に活用しようとするので、結果幸福度が高まる事が良くある。

※「重要」
・「タイムバケット」で後悔しない人生を作る
「タイムバケット」というツールを使えば、死ぬまでに経験したいことを大まかな時間の中で捉えることができる。
~やり方~
まず、現在をスタート地点にして、予測される人生最後の日をゴール地点にする。
それを5年または10年の区間で区切る。
その後、自分が死ぬまでに実現させたいと思っていること(活動やイベント)を考える。このときお金の事は気にしない。
最終的に出た「自分が死ぬまでに実現させたいと思っていること」を「実現したい時期別に仕分ける」
例:25~29歳 マチュピチュ登山、西ヨーロッパ旅行、企業
40~44歳 住みたかった都市に移住。アルプスでスキー
75歳以上 誰かのメンターになる、アラスカへのクルーズ船旅行
など

このように「死ぬまでにやりたいことリスト」に期間を設定すると、「物事にはそれを行う為のふさわしい時期がある」という事実に気づく事ができる。また、年齢に限らず(年をとっても)いつでも可能だというやりたいことにも気づくことができる。

人生の残り全てを期間で区切って計画を立てるのは大変だと感じた場合は、10年区切りのバケツを3つ作り、今後30年になにがしたいかを考える事から始める。
このリストにはいつでも項目を追加できる。年齢や体力面の問題が制約にならないうちに、早めに計画を立てて、やりたいことを実現させよう。

・ルール8 45歳~60歳に資産を取り崩し始める

喜びに投資するタイミングを逃さないようにするにはどうするべきか。
・ルール6の「年齢にあわせて「金・健康・時間」を最適化する」
・「資産を切り崩すタイミングを見極める」

資産ゼロで死ぬ事を目指す上で、私達は人生のある段階で、まだ経験から多くの楽しみを引き出せる体力があるうちに、純資産を取り崩していくべき。
※資産を取り崩す前に確認すべき点に「人生を終えるまでに生活に困らないだけの資産があるかどうか」がある。つまり、収入無しで老後を生きる為に必要なお金。
その為この額は人によって変化する(一年間の生活費✕予測される残りの人生の年数)を掛け合わせたものとなる)
 
例:年間の生活費が1万2千ドル。今55歳で80歳まで生きると仮定したら25年生きる計算になるので、(一年間の生活費)✕(予測される残りの人生の年数)=(1万2千ドル)✕(25)=30万ドル
 
※最終的な答えでは無い。資産を運用することで、貯金しなければならない実際の金額は30万ドルより遙かに少なくて済む。しかし、株式が確実に資産を大きくするとも限らない。資産が拡大する年もあれば縮小する年もある。
その為、「「毎年の生活費✕残りの年数」の70%」を筆者は目安としている。
結果、「死ぬまでに必要な金」=「一年間の生活費」✕「人生の残りの年数」✕「0.7」
 
・資産のピークは「金額」ではなく、「時期」で決める
・資産を減らすポイントは「45歳~60歳」
なぜなら大半の人は、この間で資産がピークに達するからだ。
 
※最大の目標は「できる限り人生を豊かにする」ことであり、金を増やすことでは無い。
 
また、本来考えているより老後にお金はかからない。
老後の為に過度に貯金するのではなく、金をもっと早い段階で有効に活用することを計画するべき。
 
★資産を取り崩すタイミング(資産がピークに近づいている)時に、改めて「自分が人生でやりたいことを見直すタイミング」だ。
積極的にお金を使い始めよう。
 

・ルール9 大胆にリスクを取る

・NBAチーム、ダラス・マベリックスのオーナーで、人気テレビ番組「シャーク・タンク」にも投資家の一人として出演する「マーク・キューバン」は億万長者だ。

彼の人生を見た際に最も注目すべき点は
「成功をするまでに何度も大胆な行動を取り、そのどれに対してもリスクを感じていなかった。」点にある。
彼は失敗するリスクより、成功によって得られるメリットのほうが遙かに大きい状況にいた。このような状況を「非対称リスク」と呼び、「デメリットが極めて小さく(失うモノがなにもなく)、メリットが極めて大きい場合、大胆な行動を取らない方がリスクになる」ことを指す。

・夢に挑戦すべきか迷ったら → 「自分の年齢」を見て判断する。
20代前半なら夢に本気で挑戦すべき。数年たって芽が出なくても、地元に帰って就職する事ができる。
年をとると失うモノは増え、成功して得られるモノも少なくなる。

「大胆に行動する」=「確実性は低いが経済的、心理的にはるかに大きなやりがいが感じられる大胆な道」に進もうとしている。

大胆に行動するための3つのポイント
・どれだけリスクを取ろうが、どんな大胆な行動に出ようが、一般的に「人生の早い段階」が良い
・「行動を取らない事へのリスクを過小評価すべきでない」
行動をしないことで何かを失っているリスクに目を向ける必要がある。
・「リスクの大きさ」と「不安」は区別すべき
人は不安に襲われていると。実際のリスクを過度に大きく見なしてしまう。

・「若くない人でも大胆になるべき時」それは「苦労して稼いだ金をいつ使うかを判断する時」

「最後に」
・挑戦しよう
・人生を最大限に充実させ、たった一度の人生を価値あるモノにしよう
・人生で一番大切なのは思い出をつくること

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