ギンザレコードがめざすもの

はじめまして。ギンザレコード代表の新川です。いつもはスタッフにお願いして日々感じていることや新鮮な驚きをnoteにまとめてもらっていますが、今回は「なぜ、この店をやるのか?」ということを私自身で書いてみたいと思います。

ギンザレコードは正式名称をGINZA RECORDS & AUDIOと言います。レコードの他にオーディオも扱う。これがビジョンです。銀座で扱うべきレコードとオーディオと読み替えていただいても結構です。

ご存知の方も多いと思いますが、私は16年前にサウンドファインダーというレコードショップの集合サイト(ショッピングモール)を操業しました。当時を振り返ってみると、日本では数えるくらいの会社しかショッピングモール運営などという大それたことをやっている人はいませんでした。

創業時、いろいろなベンチャーキャピタルの方とお会いして、お話しをさせていただきました。どうやったらこのショッピングモールを拡販できるか?この点に皆さん興味を持っていただけるのですが、レコードには全く興味をもってくれない(笑)

逆に私はインフラとしてそれを提供することにまったく興味がなく、音楽がすべて。みたいな意固地な感じでしたので、まあ、話はうまく行きません。結果茨の道を歩くことになります。勉強になりました。。。。あの時、ベンチャーキャピタルの人の話を聞いていたら、今頃フェラーリとか乗っていたかもしれません(笑)

レコード工場見学「レコー道」やrpm(record people meeting)、レーベル運営などレコードにまつわる事業をサウンドファインダーと並行して今までやってきましたが、その集大成として今年、2019年3月に阪急メンズ東京のリニューアルとともにギンザレコードは東京のど真ん中にオープンします。

オープンにあたり決めたことは2つ、1つは店は好事家を対象にするのではなく、常にオープンな環境であること。第2にミュージシャンとリスナーの橋渡し役となることです。

常にオープンな環境であることというのは、レア盤やオーディオを網羅的に陳列することではなく、誰もが知っているヒットアルバムを評価し、価値の再発見を促すこと。そして聴いた瞬間にワクワクするようなハイエンドオーディオを簡単に聴けることです。

百貨店というロケーションもあり親子連れの方々も多くいらっしゃるだろうから、親子の会話がはずむような仕掛けを作りたいと考えました。また、たまたま店で出くわしたお客様同士の会話が自然に始まるようなきっかけづくりもしたいと思いました。レコードをキーに、そのアーティストのライブに行った話、蘇るディスコの記憶、当時の銀座、六本木が目の前に浮かび上がるようなイメージを親子、お客様同士で共有できたら楽しいはずと考えました。

ギンザレコードがメインで取り扱っているレコードは80年代、90年代のヒットアルバムです。この年代のレコードは音楽産業が花盛りで、制作に潤沢な予算をかけられた時代です。売れているアーティストはとことん音を追求できる時代。

ですが、アーティストや制作スタッフが伝えたいと願った音が、多くのリスニング環境では再現できていないのではないか?と常々思っていました。アーティストが拘った音作りや想いをリスナーに伝えるために最善を尽くすことをしよう。これがアーティストとリスナーの橋渡し役という意味で、当店のオーディオの選定基準となっています。言い換えるならばギンザレコードの役割、商売の着火点です。

オープンから半年が経過しましたが、お客様の反応を見ていると、ビジョンに対してのアプローチは間違っていないかなと思っています。昔聴いたアルバムを改めて聴かれて、こんな音が入っていたのか!とびっくりされる方や、お気に入りのアーティストの曲を聴いて、涙を流される方もいらっしゃいます。音楽が腑に落ちた瞬間がここにはたくさんあります。

音楽が良くも悪くも手軽な時代になってきましたが、そんな時代だからこそ、音楽が末永くリスナーに楽しんでもらう環境を作らなければならないと思っています。レコード詳しくなくて全然OKです。音楽を聴くのにアンプが必要ということも知らなくても大丈夫です。音楽が好きで、少しでもアーティストに近づきたいと願う気持ちがあれば、当店でお手伝いできることは沢山あります。

洋服を見に来たついででもかまいません。お気軽にお立ちよりください。あのアーティストのレコードが聴きたい、スピーカーで音楽聴くためには何が必要ですか?という質問でも大丈夫です。スタッフができる限りの対応をさせていただきます。お客様のミュージックコンシュルジュとして、ギンザレコードを楽しんでいただければ嬉しい限りです。





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