東京銀座TRA3

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銀座から日本文化を元気にする「銀座花伝」プロジェクトでの活動や、銀座に巻き起こる文化waveの数々をお伝えしていきます。◆東京銀座TRA3公式サイト→http://tra3.jp/ ◆facebook→https://www.facebook.com/rieko.iwata3

最近の記事

能役者 坂口貴信 能舞台名場面ギャラリー 銀座花伝MAGAZINE Vol.46 《特別編》

#能役者 #坂口貴信 #名場面 #写真ギャラリー #世阿弥 【はじめに】 第11回「坂口貴信之會」公演開催にあたり、2022年9月の「坂口貴信之會」以降に師がシテ方を勤められた能舞台の中から、感動を呼んだ3舞台の名場面より写真と解説(レビュー含む)をお届け致します。現代の能楽界にあって、師の「技によって技にとらわれない」超絶表現、心動かされる優美な謡、時に気魄を生む仕舞の芸術性は驚きの進化を遂げています。この1年の足跡を、美しい装束とともにお楽しみ下さい。 *本ギャラリー

    • わたし式 「ヌン活」 のススメ 銀座花伝MAGAZINEVol.45

      #ヌン活 #英国式の洗礼 #格式と解放 #能「卒都婆小町」レビュー 銀座が黄昏(たそがれ)に染まる時間が待ち遠しい、熱射の夏陽が続く毎日、通りを歩く人々からそんな言葉が洩れる。うっすらとした影が街に落ち始めると、中央通りのウインドウにスポットライトが灯り、色とりどりのイルミネーションがひとつふたつと輝き始める。この街が一番幻想的な雰囲気に色づく時間である。 「黄昏」とは、古くは「たそかれ」、江戸時代以降に「たそがれ」となったと聞く。薄暗くなった夕方は人の顔が見分けづらく「

      • シン・五感散歩のススメ 銀座花伝MAGAZINE Vol.44

        銀座中央通りを歩いていると、「舗道が広いな」と感じます。この時人は無意識に「人間を大事にしている」という印象を持つのだそうです。そういう意味で、銀座の歩行者天国は車道までも舗道になり「街が人のためだけにある世界」を私たちに提供してくれます。 その歩行者天国も緊急事態宣言で長く遠のいた時期がありました。3年のコロナ禍の混沌生活で気づいたのは、資源があるかどうかということはそれほど重要ではなくて、今ある資源をどれほど丁寧に磨き活かしきれているか、実はそのことが問われているのだとい

        • ギンザ ウォーズ 銀座花伝MAGAZINE vol.43

          # 町を救う #AI音声攻撃 #7人の勇者たち    #メタフィクション #B面 街のイメージが「高級で、高価」と歪められ、敷居が高くて近寄りづらいと遠ざけられてきた、銀座の街。経済基盤が弱められた街の上積みだけを掬い取ろうとする大資本によって、今、街の本来の姿が見失われようとしている。 そこには、商いをする人々の人間としての感情が流れていたはずである。声を上げた人々の声は弾き飛ばされ続けてきたにもかかわらず、心ある人々によって新たな再生への道を生み出そうとする流れが生ま

        能役者 坂口貴信 能舞台名場面ギャラリー 銀座花伝MAGAZINE Vol.46 《特別編》

          ニューヨークの桃太郎 銀座花伝MAGAZINE Vol.42

          #ニューヨーク  #桃太郎  #源吉兆庵  #フルーツ菓子 #魯山人#蛍 店主との散歩はワクワクする。 先日も銀座柳通を月光荘の店主とそぞろ歩きをしていた。ニューヨーク暮らしを長く経験してきた店主は、 「自分の店は銀座8丁目にあるでしょ。この柳通りは1丁目。ショートトリップしたみたいな気分になるよね。雑踏の喧騒あふれるニューヨークも魅力的だけど、銀座は街路樹がおおらかでいいなあ」 などと思い出話をしながら、銀座の魅力を語ってくれる。 と、突然立ち止まり大きく振り向い

          ニューヨークの桃太郎 銀座花伝MAGAZINE Vol.42

          和の国  江戸可愛い「菊廼舎」のひみつ     銀座花伝MAGAZINE Vol.41

          #銀座一番の理由 #老舗「冨貴寄」 #先達の教え #夫婦愛 # 蝋燭能  銀座の街路樹にそよぐ5月の風は、新緑の香りを運んで実にさわやかだ。中央通りの街路樹は、和名は香りが出るという「香出る」(かづる)に由来したカツラの樹。とりわけこの季節から初夏に向けて甘い香りを放つ。 少し影のある路地に佇んでこの風を全身で感じると、都会にいても自然が無為に私たちに語りかけてくれる瑞々しい声が聞こえて来るようだ。 銀座の街から、また一つのランドマークが姿を消す。銀座4丁目の「三愛ビル」

          和の国  江戸可愛い「菊廼舎」のひみつ     銀座花伝MAGAZINE Vol.41

          憧れの気品 銀座花伝MAGAZINE Vol.40

          #手仕事の美 #90歳現役 #銀座むら田女主人 #世阿弥 #俊寛解説 銀座は散歩をするのに最適な街だといつも思う。通りの街路樹が季節によって景色を変えて見せてくれるのもその魅力の一つだが、それだけではない。多様な楽しみ方で私たちを喜ばせてくれる空気感に満ちている。 「散歩」を推奨した古代ギリシャの哲学者アリストテレスは、人間の幸福について「幸福とは、自らの可能性を開花させること」だと「エウダイモニア」という幸福感で提唱している。 人生100年時代の中で、老後をどう過ごす

          憧れの気品 銀座花伝MAGAZINE Vol.40

          ストーリーが踊り出す街 銀座花伝          MAGAZINE Vol.39

          #五感で散歩 #老舗女将 #街に降り立つ #路地は生命 一気に春めいた銀座中央通りには、国内外の観光客をはじめ大勢の人々がぶらぶらと散策する風景があふれ始めた。 インカムを装着して街に降り立つと、この街の息吹を創り出している様々なストーリーがさえずり、踊り出すような感覚を覚える。 この街の400年の歴史を作り出してきたのは、その時代その時代を一生懸命に生きてきた商人たち一人一人の情熱なのだろう。 今日も銀座は新しい景色を私たちに見せてくれる。 銀座は、日本人が古来から持

          ストーリーが踊り出す街 銀座花伝          MAGAZINE Vol.39

          銀座五感散歩ライブ💕  銀座花伝MAGAZINE Vol.38

          #銀座五感散歩ライブ #三人の女将たち #若者が「推し」経済を回す 銀座の2月は街のウインドウの色彩から春の兆しを感じることができる。2月の誕生色は蕗の薹(ふきのとう)の若芽のような淡い「黄緑色」。それを意識しているのだろうか、街角のあちらこちらに「蕾」を感じる彩りを発見すると気持ちがほっこりする。 中央通りの歩行者天国は、海外の観光客が増え以前の賑わいを取り戻しているかのようだ。空が広いな、と感じるこの街でようやく深呼吸ができるようになったという喜びが人々の表情から読み

          銀座五感散歩ライブ💕  銀座花伝MAGAZINE Vol.38

          「60min」 銀座花伝MAGAZINE Vol.37

          # 銀座60min    #マイプレシャスタイム  #林宗一郎師 能「砧」レビュー 街角のクリスマスツリーが門松に、一夜で変貌する銀座の景色。この街ならではのスピード感は新時代が始まりそうな予感で人々をワクワクさせている。 今の私たちの生活を見回してみると、DX(デジタルトランスフォーメーション)化の波に乗って、自分の時間を有効に使う方向に大きく舵が切られてきたことに気付かされる。IT化やAI化は、企業の利益拡大のためだけに活用されているかの印象を持つが、本来は、私たち人

          「60min」 銀座花伝MAGAZINE Vol.37

          銀no琳派 銀座花伝MAGAZINE Vol.36

          #ざわつかせる琳派  #民衆の力と自由  #酒井抱一の美意識   #銀 街路樹がこの3年の間に随分大きく育ってきた、銀座中央通りである。コロナ前までは、豪奢の極みを求めていた街並みも、現実に根を下ろし、今年のクリスマスイルミネーションは、密やかな美を求めていくことになりそうだ。 江戸時代に始まったこの街が、世界的な規模の商店街に成長する道筋は実に紆余曲折に富んでいて面白い。世界中のブランドの基幹店が並ぶ街並みには最先端のデザインや建築物が立ち並んでいるが、これらが実は江戸

          銀no琳派 銀座花伝MAGAZINE Vol.36

          Second Dream 銀座花伝MAGAZINE Vol.35

          #本分と分かち合い #銀座もとじ社長交代劇 # 能「善知鳥」レビュー まるで深緑たっぷりの庭での呼吸を楽しむように、人々がパラソルの下に集い語らう風景が銀座中央通りにようやく戻ってきた。銀座は元々美しい庭を手入れするように、店主の美意識によって創り上げた街である。守人たちは誰一人訪れなくなったコロナ禍にあっても変わらず街を磨き続けてきた。今、訪れる人々によって街は大きく深呼吸を始めたように見える。 とはいえ厳しい経済状況の中、銀座の商店も存続の明暗がはっきり顕在化してきて

          Second Dream 銀座花伝MAGAZINE Vol.35

          能役者 坂口貴信 能舞台写真ギャラリー  銀座花伝MAGAZINE Vol.34 《特別編》

          #能役者 #坂口貴信 #能舞台 #写真ギャラリー #名場面 【はじめに】 第10回「坂口貴信之會」公演開催にあたり、昨年の「坂口貴信之會」以降に師がシテ方を勤められた能舞台の中から、感動を呼んだ名場面と観賞解説を併せてお届け致します。現代の能楽界にあって、師の「技によって技にとらわれない」超絶表現、心動かされる優美な謡、時に気魄を生む仕舞の芸術性は驚きの進化を遂げています。この1年の足跡を、美しい装束とともにお楽しみ下さい。 *本ギャラリーに掲載されている「坂口貴信能楽師

          能役者 坂口貴信 能舞台写真ギャラリー  銀座花伝MAGAZINE Vol.34 《特別編》

          今が一番美しい 銀座花伝MAGAZINE  Vol.33

          #今が一番美しい #ひとり時間が許される街 #源氏物語と着物 この街には、世界中の色彩が溢れていて、訪れた人たちの眼を楽しませてくれる。特に銀座中央通りにある海外ブランドのウインドウは、その店でしか生み出せないオンリーワンの色目を商品を通じて発信しているようだ。そして、西洋化した街並みの中に「日本の色」を見つけることも街散策の大きな楽しみだ。 多くの場合、日本の色はこの街を訪れる人々の装いから見出されることが多い。西洋のモダンの中でこそ晴れ晴れと息づく日本の色。それは、「

          今が一番美しい 銀座花伝MAGAZINE  Vol.33

          「僕の特別」 銀座花伝MAGAZIN vol.32

          #スケッチ・カードで街歩き #銀座にダイブ   #語り出す看板 空が大きいと感じる銀座中央通りには、午前中から熱波が容赦無く押し寄せる。コロナ前に植え替えられた通りの140本のカツラの樹は、4年の歳月を経て背も伸びて青々と緑の葉を湛え、鋪道に見事な木陰を作ってくれている。その木陰に佇み感じる風は清涼感を含んでいて実に心地いい。 日常に潜む小さな奇跡に出会いたかったら、この街を訪ねてみるといい。そして表通りを辿るだけのWalkはもったいない。ほんの少しの想像力を加えるだけで

          「僕の特別」 銀座花伝MAGAZIN vol.32

          銀座花伝MAGAZINE Vol.31

          #真夜中の書店  # 教文館のゴースト  # 能 義経幽霊「屋島」 きっと人には、「自分がどう生きたいのかを決断する」場所があります。 筆者が生き方を決断した街には2つの鐘があって、一つは街のランドマークの時計塔・和光の鐘、もう一つは松屋通りと外堀通りの交わるところにある銀座教会の鐘です。 和光の鐘は、時代の今を奏でる音色がします。そして銀座教会の鐘は大切な人のために感謝し祈るために響き渡ります。130年の時を超えて街の人々の人生を見守り続け、見送ってきたこの鐘には「人

          銀座花伝MAGAZINE Vol.31