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②現代を生きるヒントになる! 空海の出世人生はじめての空海と密教

(ディスカバージャパン 2020.10.22)より

密教を日本に広めた僧侶として知られる空海
密教ってなに?空海はどんなことをした人?
そんな人にもよくわかる《はじめての空海と密教》

第2回は空海研究の第一人者である
福田亮成さん監修のもと、数々の伝説
を残し、民間信仰の対象となるほど人々
を魅了した空海に迫ります。

大正大学名誉教授
福田亮成(りょうせい)さん
真言宗智山派成就院長老。大正大学
名誉教授。著書に『知識ゼロからの空海
入門』(幻冬舎)など、密教世界をわかり
やすく伝える著書多数


人の心を掌握するのに長けていた“人間ツウ”空海


日本で真言密教を広めた宗教家でありながら、
庶民に開かれた仏教総合大学を創設したり、
アーティストとしての才能を発揮したりと、多方
面で活躍した弘法大師空海。

唐に渡って密教最高位の阿闍梨位を授
かるまでにも多くの「空海伝説」を残して
おり、こういった逸話には枚挙にいとまがな
い空海だが、空海研究の第一人者である
福田亮成さんによると、弘法大師空海の
魅力はこういった神格的な存在にあるので
はなく、人の心をつかむ“人間ツウ”の部分
であると語る。
「弘法大師空海に魅了された一人として
知られるのが、文芸の教養があった嵯峨
天皇です。
重大な政治的危機を乗り切ったばかりの
嵯峨天皇は、弘法大師空海が行った密
教の鎮護国家の修法を信頼し、交流を
深めていきました。
空海は、滞在していた乙訓寺の庭のミカン
のなる木から実を取り、籠に詰めて自作の
とともに嵯峨天皇に贈り物をしたという
記録も残っています。
書や詩を好んでいた嵯峨天皇は、この気
遣いに大いに喜んだといわれています。
また、天皇に召し出された折は、屏風や
詩書、梵書など、唐から持ち帰ったものの
中から嵯峨天皇が好みそうなものを選んで
献上したようです。
こういった交流関係から、単なる天皇と僧侶
の上下関係を超えた友人関係を築き、
嵯峨天皇は弘法大師空海の最大協力者
になっていくのです。
このように芸術的なセンスももち合わせている
弘法大師空海。
それは修行だけを行う宗教家にはない魅力
であり、多様な世界を同時にもっている証しだ。

「弘法大師空海は、多くの著書や文章に
自分の思想や哲学を書き残すだけでなく、
文字だけでは伝わりにくい密教の世界観を
曼荼羅でもって説明しています。
時には詩的な言葉を使って相手を動かす
など、芸術的なアプローチからも悟りの世界
を表現し、人々を魅了していったのだと思います」。

マルチクリエイターともいえるさまざまな顔
は、密教を布教するツールに過ぎない。
培った知識や才能を、私腹を肥やすために
使ったわけではなく、密教の世界観を一人
でも多くの人に伝えるために、できる限りの
手段を尽くした結果といえるだろう。

空海の心の豊かさを感じるストーリーでした。

明日は、空海の誕生秘話に迫ります。

お楽しみに♪


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