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詩)僕がスヌーピーだったら。

いたるところに君がいるから
ポチとおんなじように
どこにでもいる犬なのか
と思ったら大間違い
世界中にいるように見えるけど
実はスヌーピーは1匹だけ
いやひとりだけ
昔も今もご飯を持って
彼は誰の犬でもない
自分が自分の主人だから
「もし僕が人間だったら
犬なんか飼うものか」と
谷川俊太郎「不死身のスヌーピー」前半 THEBIGISSUE2020.12.15より

僕がスヌーピーだったら ちょっと不機嫌なふりをして
あの娘の隣にちょこんと座わるな。
だってあの娘は人間の僕には一度もふりむいてくれないんだから

僕がスヌーピーだったら ルーシーを誘って
ゲームしようって。
でもスヌーピーの僕はその気持ち 上手く言えるのかしら。

僕がスヌーピーだったら たまたま乗った扡下鉄で
座っている席を譲るね。目の前のおばあちゃんに
日本の若者は死んだふり?しているけどね

僕がスヌーピーだったら とりあえず昼寝するね
犬小屋の上にザブトンおいて
みんなジロジロ見ないでくれよ

僕がスヌーピーだったら 黒と白と黃と
いろんな色を混ぜまぜして
これが世界だと演説するね

僕がスヌーピーだったらヘルメットかぶって
国会の前でちょっときいてくれますか?
もうみんなが一生懸命生きることが一番だと

僕がスヌーピーだったらそこまでは考えるんだけど
ちょっとためらってうろうろするよ
誰か一緒に!とか考えるよ

僕がスヌーピーだったら
自意識過剰で皮肉しか言えないけど
あらゆる人が団結しよう!とか言ってみたい

僕がスヌーピーだったら やっぱり自分を
自分を見失しなうなと
生きるよろこび どっかにあるって

僕がスヌーピーだったらどんなに
どんなに幸せだろう
で、僕は?やっぱり。マンネリでも生きている。

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