詩)新宿のオオタカ

東京。
新宿 不夜城
闇は無い。いつまでもいつまでも輝き続ける街 星のない空に
女と男は 終らないゲームを続ける新宿 スパンコールの夜。
星は空に確かに瞬くが誰も空を見上げない。新宿の空に

キラツと二つの眼が不気味に肉を求めて光る
都会の人の中にある光とは
全く異質の光が二つ
肉を求め光る

急降下時速130Kmの直滑降が夜の闇を引き裂く!
山の頂上の真上から落ちる雷神の轟
何者もそこには存在せず闇の中で全ては終わる

羽を広げると１メートル。
トビより小型。カラスとほぼ同程度というが。
堂々たる風情の圧倒的な存在感
長く将軍家のみ鷹狩を許され
その風雅は
300年以上日本人の中で王者として君臨し続けた

新宿にオオタカ
夜と昼
人間の知らない新宿を
誰が支配するのか

一メートルに迫る大ネズミ
群れをなすカラス
大群のゴキブリ類
人間はもう
その中の一つ
オオタカ 気品のある孤高

ある日
カラスの一群がオオタカを襲う

オスが留守のスキをつく これは覇者を決める斗い

やりこめられたオオタカ メスの親は逃げようとする

そこにまだ雛のオス。

カラスの半分の大きさだがカラスに立ち向かう。本能だ。勝ち負けではない
カラスは逃げる

新宿の夜に二つの眼がキラリと光る。
人間の知らない夜の闇
本能の夜が
今日も
始まる。