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応援するチームが
完封負けで負けたあと
勝った側のヒーローインタビューが用意されるあいだに
席を立ち 階段を降りて
我慢していたトイレに並んで
順番が来るとすうっと出すもの出して
屁などもついでにこいて
完封負け 完封負け と二回呟き
階段を降り
まだ明るい外に出ると
交差点の前に塊になった人の中で
最後のゲッツーはダメだよなあとか
粘りがないよね いやらしさがないよとか
わあわあいう声に
そうだそうだととか思いながら

今日のこの日がきっといつか
あの日はビール二杯とハイリキ一杯
あの日は負けたよねと いつか
二人で語るときが来ると
帰りの電車の中
もう眠りかけている相棒を見て思った
完封負けのヨコハマ

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します