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地球の上を飛ぶ 小さな山鳩
僕は小さな欲望で生きている
悲しいくらいの

貴方を もし小さな檻に閉じ込められたら

欲望なんて 形はない
さっきまで賑やかに話していた子が
一人になった途端 別人のように黙るように

僕の鳩は 風に流されて
行きたいところへも行けず
自分の運命を 自分ではどうすることも出来ず

逆らいながら 真っ直ぐに生きたいと願い
飛べない羽根を憎みながら
普通の顔をして飛ぼうとして

教科書にも参考書にも
どんなに読んでも書いていない答え
それを知りつつ 読み続けるみ少女は

もうとっくに自分がなんなのかを
知り尽くしていて
それでも平気に生きている

僕の悲しみなんて ちっぽけなもの
山鳩は 地球の上を飛ぶ 
その眼には  

動けなくなった瓦礫の下の子の  
地球の運命が
映る

2022年に詩集を発行いたしました。サポートいただいた方には贈呈します