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note詩を読んで~僕が出会ったきらめく詩作品

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noteには膨大な数の詩作品があります。その中で僕が出会ったきらめく作品を紹介させていただきます。大変僭越ですが、少し応援するつもりで。もっとたくさんの人の読まれるといいなあとい…
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#ポエム

宇宙のおはなし

どんな形か いつやってきて いつ終わりが来るのか 見えないものが来たる時には 偉大さを称えてくれた 「貴方はいつも努力しています 私の何倍も頑張っています こうして人々の目が届かない時でさえ 光を放ち続けているのですから」 闇を与え 熱を与え 多くを殺してしまいと嘆いた時には 救われたものも多いと教えてくれた 「私は貴方がいなければ 人々からは見えません 人から存在を認めてもらえないこと それは死と同等なのですから」 それなのにそんな君が 本当は私を憎んでいると 不安

Ave Verum Corpus

朝に浮かぶあの真っ白なお月様を見たことがありますか 黄色に輝く月より、あの不思議な球体が好きです お昼に吹くあの冷たい風をご存知ですか その肌に触れる匂いはどこから来たのでしょう 夕暮れにあの空を染めたのは誰ですか 父が言っていました、一瞬なんだって 真夜中に動くあの雲はどこに行くのですか ばれないようにこっそりと動いて 好きだけど、ずっとそばに置いておくことができるものは少ない 嫌いだけど、すぐに離れてくれるものは少ない でもね きっとそうでなければ みんな好きで

猫の箸受け

君は猫の箸受けになった 大好きな猫の箸受けになった 覗いても叩いても隠れん坊 仕方ないから箸を置く 可愛い少しとぼけた箸受けだ 祖母は鮭をくわえた熊になった 父は抱腹絶倒の民謡になった みんな何処にも行っていない 何があっても我家はここだ 今朝も君の胸に箸を置く

【絵と詩】くじらの水槽

ぼくにはおおきなひみつがあって ここではひっそりくじらを飼ってる 名もないちいさな赤い魚と おおきなくじらは2匹で暮らす えさはいらない あたまのなかの のうみそのよな、 かたまりをとりだして まいにち太陽光で ひなたぼっこをさせてあげる くじらは昔ね ちいさな青い魚だったよ すっかり怯えてふるえていたんだ ぼくは思わず抱きしめていた きみはしらない あたまのおくの のうみそこえた、 かたまりは飛びだして まいにち僕らを 芯から包んでいてくれる 還ってきたら、ま