見出し画像

ZOOM授業。

 去年の8月からずっとZOOMで授業を受けています。朝の8時半から、12時まで2コマ。レベルが一緒の生徒なので、めちゃくちゃな英語でコミュニケーションを取っている。先生の口の動きも見えにくいし、画面の切り替えがうまくいかないし、イライラすることも多いが、生徒の環境が垣間見えることがあり、これはこれで面白かったりする。一方、顔出しをしない生徒も多数いる。

画像6

 私は狭いステュディオに住んでいので、台所で参加している。私の背景は冷蔵庫だ。思いがけず(←失礼)豪華な部屋に住んでいるクラスメイトもいれば、私と同じように台所の隅というクラスメイトもいる。壁紙をうまく使って、あり得ないほどの壮大な住居の演出に精を出すチャイニーズが面白い。何の壁紙を使ってくるのか毎日楽しみにしてる。

 顔と顔を合わす状況でなく、見られてる範囲が少ないと、どういうことになるかーーそれは気の緩みがどどーんとやってくる。なにせ自分の家、気持ちを勉強に向けようとしても、なかなかそうはいかない。

 先生は最初に言った『できるだけ授業中、子供は誰かに預けて』と。これを許すと授業自体が崩壊すると考えたらしい。コロナ禍において厳しい判断だと思うが、ただでさえ集中するのが難しいZOOM授業においては仕方ないかもしれない。

画像6

 では小鳥はいいのか?ハイメの肩にはいつも鳥がいる。タチアナの肩や腕には彼女によく似た青い目の猫が戯れている。子供じゃなくて、おばあちゃんならいいのか?リナの隣に堂々とあばあちゃんが座っていて、ずっと広東語を喋っている。

 飲食もそう、実際のクラスでは蓋付きの飲み物以外は禁止されていた。けれど、朝早くからランチ時間までの授業ということで、忙しい先生がまず最初に、クラッカーを食べてしまった。

画像6

 そうなるとなし崩し的に生徒も食べる食べる。アイーシャは食べてないと言い張るが、ビジャブの下でいつも何か食べている。リリーは大胆にもカップラーメンを食べていたことがある。ああ、もう授業じゃない、家だ、家(笑)。

 身の回りの環境を発信してくれるクラスメイトは面白い、授業の邪魔になることがあるけど、面白い。苦手なタイプは顔出しNGクラスメイト。グループチャットの会話レッスンで、相手の顔が見えないと、どこ見て話していいかわからない。顔が見えてないことを良いことに、授業の出席を取った直後に逃亡する生徒も多い。

 ある日の授業は ヨルダンのアイーシャとエルサルバドリアンのマリアと3人のグループチャット。会話して3人の意見をまとめて、その後 メインルームにて意見発表という成り行き。なのにマリアはチャットルームに参加してこない。逃亡したのだろう。アイーシャが怒る、怒る、あり得ない!とても酷い、ここは学校なのに!みたいな文句を言ってきた。私もそうだ、そうだ!と頷いていたら、

アイーシャが突然いなくなった。画面から消えたのだ。

画像4

 ・・・お祈りの時間が来たらしい(床にいた)。

 また、宅急便が来たり、先生の子供が突然帰省してきたり、予期せぬ人がZOOMに映り込んできたりもする。

 私がコロンビアンの男子生徒とチャットルームで会話の練習をしていたら、彼の背後に何か動くものが。私だけが気づいて『behind !behind!』と注意を促したら、

画像6

 新しい彼氏だった。

 前の晩から泊まっていて、まだ眠っていたらしい。ずっと恋人が居なかったから、すごく嬉しいとか何とか。いきなり飛び込んできた半裸の男性。そのまま、紹介を受けて、Nice  you meet you となった。

 この成り行きをメインルームから見ていた先生が、チャットルームを開放して、男子生徒の新しいボーイフレンドを歓迎。クラスメイトの拍手の中、照れ臭い二人。

ハッピーよ、ハッピーなんだけど、

画像6

何の授業だ、これ(笑)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?