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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 021:V-Disc特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第21回(2022年2月11日(金/祝)20時~
(再放送:2月13日(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。しかも可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。(今回は全曲LPですけどね。)
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

V-Discの現物です これを鳴らしたわけではありません

今週はV-Disc特集です。1940年代にアメリカが国費で作らせ前線基地に専用プレイヤーと一緒に送り込んだレコード盤です。ミュージシャンズ・ユニオンのストライキと時期的に重なったこともあり、貴重な音源がたくさん含まれています。とはいえ、1940年代のはなし、古い音源に興味のある方ならまだしも、朝の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」のファンは、ルイ・アームストロングも数曲かけますから楽しめたでしょうか。もちろん78回転で聴くわけではなく、編集されたLPを使いますが、SP起こしの音源ですから、サーフェスノイズは普段以上に盛大です。

1曲目
「I Can’t Escape From You」Bunk Johnson Band (1946.01.06.)

「SP盤起こしの音源にしては意外にいい音で鳴る」と高山が言っておりますが、高音域がかなりクリアです。徳間音工の再発シリーズの中から「トラディショナル・ジャズ・オン・V-Disc、フロム・ニュー・オリンズ・トゥ・シカゴ」というタイトルのアルバムからご紹介しました。V-Discは78回転とはいえ12インチのビニライト盤で、アウトサイド・スタートと書かれております。インサイド・スタートも存在した古い時代のものだということが分かります。専用プレイヤーは針圧が軽くなる工夫がしてあったということです。

2曲目
「Bechet Parades The Blues」Sidney Bechet And His New Orleans Feet Warmers (1943.12.08.)

3曲目
「After You’ve Gone」Sidney Bechet And His New Orleans Feet Warmers (1943.12.08.)

1897年生まれ1959年没、戦前に活躍したクラリネットとアルトサックスの奏者シドニー・ベシェです。デューク・エリントンの「ニュー・オリンズ組曲」にも「ポートレイト・オブ・シドニー・ベシェ」という曲もありますね。今日かける中では一番好きと申しております。

4曲目
「Someday Sweetheart」Peanuts Hucko & His V-Disc Men (1947)

12月にJ-Jazz特集をやったとき、鈴木章治さんの「鈴懸の径」をかけたわけですが、あそこで共演していたベニー・グッドマン人脈のピーナッツ・ハッコーもこの時代人気があったようです。

5曲目
「Stompin’ At The Savoy」Teddy Wilson All-Star Sextet (1945)

フィービー・スノウの「ハーポズ・ブルース」でもフィーチャーされていたので、昔から馴染のあるピアニストのテディ・ウィルソンです。ここにはレッド・ノーヴォの名前も見えます。

6曲目
「Roy Meets Horn」Roy Eldridge & His V-Disc Little Jazz Band (1945.11.14.)

この曲を聴いて突然、「終戦の年にこんな小ジャレタことをやっていたのかと思うとちくしょーとかも思う」とか言い出し、禁制の敵性音楽だと申しております。誉め言葉なのか…!?

7曲目
「Royal Garden Blues」Muggsy Spanier And His Band (1945.10.22.)

コルネット奏者のマグシー・スパニアはシカゴ拠点で、トラディショナルなディキシーランドスタイルとスウィングジャズにまたがる「シカゴ・スタイル」のパイオニア、バック・タウン・ファイヴのメンバーなんです。曲はニュー・オリンズ系の大定番「ロイヤル・ガーデン・ブルース」です。

8曲目
「Tiger Rag」Louis Armstrong (1947.02.08.)

ここからはルイ・アームストロングのミニ特集になります。定番曲中心ですが、この「タイガー・ラグ」は作者に関して所説あるなどといった解説つきです。この音源は47年2月のカーネギー・ホールです。

9曲目
「Ain’t Misbehaven’」Louis Armstrong (1947)

10曲目
「Basin Street Blues」Louis Armstrong (1944.01.18.)

エイント・ミスビヘイブン」は47年カーネギーホール音源ですが、「ベイジン・ストリート・ブルース」は44年のメトロポリタン・オペラ・ハウス音源です。ロイ・エルドリッジ(Tp)、ジャック・ティーガーデン(Tb. Vo.)、コールマン・ホーキンス(TSax)、アート・テイタム(P)、オスカー・ペティフォード(B)などといった有名どころが名を連ねています。

11曲目
「Jack – Armstrong Blues」Louis Armstrong (1947)

ラストもルイ・アームストロングですが、ここでは「ビッグT」ことジャック・ティーガーデンを村上春樹の「ポートレイト・イン・ジャズ」に絡めて解説しております。

次回はフリートウッド・マック結成前夜から説き起こすブルース・ロック特集です。お楽しみに。

番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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