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7インチ盤専門店雑記116「あこがれの君」

スタッフの来日記念盤7インチ・シングルです。このセカンド・アルバム「More Stuff」のジャケットが大好きで、たまにかけるでもなくファーストとセカンドを並べて面出ししておいたりしています。気が付く人は気が付くと言う程度ですが、お好きな方はやはり「このデザイン、素敵ですよね」とか言われます。ファーストは単体で出しておくと、「洗剤の箱みたいなデザインですね」と言われることもあり、なるほどと思わなくもないので、笑って流します。好きな方が聞いたら怒りそうな気もします。

「あこがれの君」すなわち「Love of Mine」です。この辺の曲を邦題で呼ぶ習慣がないもので、思い切り違和感がありますが、ベースのゴードン・エドワーズ作の名曲です。一応スタッフのリーダーって彼なんですね。シンプルな歌詞がまた朴訥な感じで曲のテイストのまんまです。こればかりはセンスとでも申しましょうか、子供向けの曲じゃないんだからと言われそうな、ギリギリの線で大人の世界に踏みとどまっているような、シンプル・ワーズの羅列です。実はそこが好きだったりします。おそらく世の中のスタッフ好きの大半は演奏がお好きなのではないでしょうか。この辺の話題を振っても、誰も相手にしてくれません…。

スタッフはツイン・ギター、ツイン・ドラムスのかなり変則的なバンドですが、ドラムスの2人が揃っていることは必須ではなさそうな感じでやってますな。おそらくリスナーもそう思っているんじゃないですかね?まあ独りのときでも、スティーヴ・ガッドはクリス・パーカーの分まで叩いているかのような手数の多さですからねぇ。

この人たちのアルバムは、アナログ時代だけで考えると、76年「スタッフ」、77年「モア・スタッフ」、78年は「スタッフ・イット」と「ライヴ・スタッフ」、80年の「イン・ニュー・ヨーク」の5枚となるわけですが、CDの時代になって93年の「メイド・イン・アメリカ」と2001年の「スタッフ・ナウ」があるわけですね。でもスティーヴ・ガッドに加えてコーネル・デュプリーとリチャード・ティーがいたガッド・ギャングの2枚もありますから、結構いっぱいあるイメージです。

お客さんから「スタッフは1枚目と2枚目しか知らない」とか言われることは多く、「分からなくもない」と納得してしまうんですけどね。一応、個人的にはゴードン・エドワーズを聴くレコードという扱いになっております。そう思って聴くからか、ついついベースに耳が行ってしまいます。

考えてみたら、93年にリチャード・ティーが亡くなり、94年にはエリック・ゲイルも亡くなっているわけです。2011年にはコーネル・デュプリーも亡くなってしまいますが、まあそれなりのお歳かと思えなくもない。リチャード・ティーとエリック・ゲイルが亡くなったときは、「ちょっと早すぎるなぁ」と思いましたねぇ。

この人たちがやると、いつでも一定以上のクオリティのアルバムが簡単にできてしまいそうなんですけど、「じゃあ代表的な盤は?」となると、「やっぱりスタッフ1・2」と回答してしまいます。アメリカより日本での方が人気があると言われますけど、本当なんですかね?未発表音源集とか出さないですかねぇ…。もっと聴きたかったなぁ…。


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