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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 言葉は怖い

サブカル近現代史の研究の中で、下町ことばについて、あれこれ調べているのですが、成果と言えるほどのものが見えてきません。まあライフワーク的にいろいろ調べて楽しんでいるだけなので、成果云々ではないんですけどね。

ちょっと前に書いた、「あたりき車力車引き…」の話はいまだによくお客様やウチのカミサンなんかと話題に上るのですが、まあ個人レベルでいろいろあるとは思いましたが、やはりダメですね。落語の中では「あたぼう」という言葉が一般的なんですけど、「あたぼう」だって語源や文字の当て方だってさっぱりです。下町言葉と江戸言葉の区別ですら明確ではないので、無理があるのかもしれません。

結局のところ、「あたりき車力のコンコンチキ」というのも意外なほど一般的なんです。おフランス在住のムーンサイクル姐さんからいただいたコメントは「あたりきしゃりきのこんこんちきだいっ!」となっております。「チキ」が韻を踏んでいるからだとは思いますけどね。カミサンなどは「あたりき車力カッパの屁」だったと言うんですけど、…これはレアかもしれません。「屁のカッパ」でも「カッパの屁」でもインは踏んでないですからねぇ…。でもこんなくだらない話題で結構盛り上がるので、楽しかったりします。

そんなこんなで、先日どこぞのラジオで東西で全然違う意味になる言葉や県民性みたいな話をしていて、「行けたら行く」という言葉が東京では「行く」という意味に対して大阪では「行かない」という意味なんですと…。結構ビックリしましたけど、「行かない」「行けない」と直截的に言うと失礼だからとかいうことなんですかね…。これ、もの凄く恐ろしい話かと思います。…同じことを言って正反対に受け取られるんですよ。親しい、親しくないでも違いそうですけどね。

飲み会の終わりが近づいて、そろそろ中締めというタイミングで、京都では偉いさんや幹事さんが「ごゆるりと」と声をかけるんですと。そうすると、皆さん一斉に立ち上がって、さっさと帰って行くんですと。…私は京都の人とは飲めませんね…。

こんなことを書きながら、実はウチのスタッフさんとか、皆さん仙台や長野や宮崎や和歌山の人だったりするので、こちらが言ったことがちゃんと伝わっているか不安になるんですよね…。時々伝わってない感触もあったりしまして…。ラジオのパーソナリティをやっている人間と、声のお仕事=言葉のプロ連中の会話が上手く成立していないとか、あってはならぬことですよね…。うーん、怖いな。


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