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7インチ盤専門店雑記043「ナイト・バーズ」

「ナイト・バーズ Night Birds」シャカタク Shakatak (1982)

ラジオ番組の関係で、1980年代の曲をざっと俯瞰しているのですが、80年代のヒット曲というのではなく、80年代の空気感を纏っている曲を求めておりまして、やはり真っ先に出てきたのがシャカタクでした。

クリスタルな大学に通っており、ちょうどヒットし始めておりましたが、当時はさほど惹かれるでもなし、「日本人が好きそうだな」という印象で、少し敬遠していたかもしれません。まあ後々嫌っというほど聴かされることにもなりましたし、今となってみれば、ステレオタイプな80sサウンドといったところでしょうか。フィル・コリンズやカルチャークラブ、デュラン・デュランといった連中の音の中に置いて、少しジャジーで、オシャレ感2割増しといったテイストが、「こりゃタイムレスかも!」という印象にまでなってきております。

個人的には、「ブライト・ライツ、ビッグ・シティ」や「レス・ザン・ゼロ」あたりのニュー・ロスト・ジェネレーションの解説に持っていくための通過儀礼的な存在、サブカル近現代史語りの中での重要キャラなんですけどね。カウンター・パーツとしての様式美化したヘヴィメタルも重要でしょうが、何を取り上げるかまだまだ考えがまとまっておりません。

シャカタクは、他にも「インヴィテーション」や「イージアー・セッド・ザン・ダン」などのヒット曲もあって、そこも悩ましいところですが、それ以外のシングル曲は簡単に外せます。↓ このあたりは、時代の空気感という意味では十分に役割を果たすものの、あったあった感もなければ、コレクターでもない限り、必要ない盤かと思います。レコ屋としては廉価盤ボックス行きでよろしいかといったところです。

問題は、 ↓ こういった曲の値付けがね…、難しいわけなんですよ。感覚的には全部廉価盤ボックスの住人なんですけど、そうとばかりも言い切れないんです。「男女七人夏物語」や「男女七人秋物語」で使われた曲という部分が、80年代の空気感を纏っているどころか、80年代の空気感そのものです。結構重要アイテムなんですね…。レコ屋的には、場合によっては4ケタに届いてしまいますからね…。

思い切り、「サブカル語りのラジオ番組にバイアスかけられたレコ屋の悩み」といったところでいかがでしょう。…わけ分かんねー。分かる人いるかなぁ…。

「男女七人夏物語」は一応ローカルネタでもありまして、外せないんですよ、ホント。


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