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7インチ盤専門店雑記074「Paul Chambers Stars」

ここのところ、アナログレコードから離れて、8cmのCDや12cmのCDについて書いております。アナログに飽きたとかネタ切れというわけではなく、目の前にあるCDについて書きたくなったというだけなんですけどね。…山ほどあるもので。

「ポール・チェンバース・スターズ」、1990年代初頭、ジャズにハマった頃に買ったものだと思います。えらく気に入って繰り返し聴きましたよ。1960年頃の音源の寄せ集めということですが、おそらく大名盤「GO」のA面によくわからない音源がくっつけてあるんだと思います。オリジナル・リリースのタイトルとかはどうでもよくて、こういう同時期の録音を手軽に集めたりできるCDっていいなと思ったものです。もちろん音だって悪くないですからね。妙なお手軽感というヤツです。

配信サービスとかも比較にならないほどお手軽なんでしょうけど、気に入った音源を愛しむ感覚とかが生まれませんよね。皆さんどうしていらっしゃるんですかね?プレイリストに登録するだけですか?

ここを起点としてあれこれ聴き漁りましたけど、この盤が妙に好きで、手放さずにいます。CDは随分売ったりあげたりしてしまいましたけどね。最終的にオリジナル・リリースに行き着くのが常だとしても、どのみち初出のメディア(アナログ・レコード)ではないし、好きなコンピというものもあります。愛着というのでしょうか。またこの曲の次にはこれが出て来て欲しいというのもありまして…。実は「GO」を聴いた時に違和感をおぼえてしまうんです。でも自分にとっては、これなんですよねぇ…。

この盤に関しては、上手く説明できませんけど、フレディ・ハバードのペットとウィントン・ケリーのピアノが絶妙な1曲目の「オーフル・ミーン」がねぇ、素晴らしいわけです。これから始まる音世界をきらびやかに示しているようで、もう一回聴いちゃおうかなとなったりします。何でかなぁ、この盤を一回聴き始めると、2時間くらいかかるんですけど…。確かに前半で滞ります。

それなら「GO」をきけばいいじゃんというものなのでしょうが、何でかそうならないところが、後追いで聴いた世代の悲しさですけどね。これ、多分アナログ盤で聴いているとあり得ない感覚なんです。簡単にリピートできるCDだからこそだと思います。アナログとデジタルの違いっていろいろあると思うんですけど、やはり美味しいとこ取りと言うのか、TPOに合わせて使い分けるというのがベストなのではと思うわけですね。


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