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7インチ盤専門店雑記607「メンフィス・ブルース」

シンディ・ローパーの2011年リリースのアルバム「メンフィス・ブルース」です。東日本大震災のタイミングで、多くの外国人が国外退去する中、日本人を励ますことができるならとライヴを強行開催した、あのツアーのときのアルバムです。元々好きな人でしたが、大好きになりました。

コレ、ブルース・クラシックのカヴァー集なんですが、クラシック・ブルースをこの人の声で聴きたいかということは毎度考えてしまいます。ここでは結構格好良くシャウトしておりますけどね。…でもメンフィス・ブルースなんですよね。B.B.キングやアラン・トゥーサンも参加しておりますから、それだけでも聴く価値はあると思いますが、世の中の音楽好きがこの盤をどう評価したんでしょうね。

1980年代のキラキラした時代を象徴するような人でしたが、時代語りの私個人はそこも問題なくOKなんですが、1993年の「Hat Full Of Stars」というアルバムが大好きでしてね。「Sally's Pigeons」とタイトル・ソングがとりわけ好きでした。

次回のイベントを企画するにあたり、ブルースやブルース・ロック特集はしばらくやってないなぁと思い、いろいろあたってみたところ、この「メンフィス・ブルース」に行き着いてしまいました。…でもメンフィス・ブルースなんですよね。

メンフィス・ブルースというと、どうしてもボブ・ディランを思い出してしまいます。「メンフィス・ブルース・アゲイン Stuck Inside Of Mobile With The Memphis Blues Again」は「Hard Rain」からのシングル・カットですから、ローリング・サンダー・レヴューのライヴですね。ここで言うメンフィス・ブルース、調べれば調べるほど本質をついていたことが分かってきて、21世紀になってボブ・ディランにハマったきっかけでもあります。要は、デルタ・ブルースとかと勘違いするなよということでしょうか。

以前に一度、本格的なブルース特集のイベントもやったことはあるのですが、参加者の皆さん何でも屋というわけでもありませんから、あまり盛り上がらなかったんですよね。普段以上に準備がタイヘンだったので、もう二度とやらないと思ってますけどね。その時も、ブルース全般でやってしまったのがよくなかったかもということは少しは考えました。ロックの世界では、比較的ポピュラーなデルタ・ブルースやシカゴ・ブルースあたりと一緒にしてしまうと、メンフィス・ブルースもブルースなんだよなぁ…という逆転の思考に陥ります。ある意味、こちらの方が由緒正しきブルース・クラシックなんですよね。

ウィキでメンフィス・ブルースを検索すると、概要はやはり起源の部分になります。そこでは1910年代から1930年代に生み出されたという時代的なことも触れられております。

加えて4人の名前が列挙されています。フランク・ストークス、スリーピー・ジョン・エステス、ファリー・ルイス、そしてメンフィス・ミニー。ヴォードヴィルやメディシン・ショーで有名…、やはりデルタ・ブルースやシカゴ・ブルースとかとは別物ですよね。ただ、まてよ、と。ファリー・ルイスってドン・ニックスやレオン・ラッセルが担ぎ出した伝説のブルースマンでしたね…。アラバマ・ステート・トルーパーズでやってましたよね。…やっぱり根っこは近くにあるんですかね。共通点とか探しながら聴くとまた違って聴こえますかね?









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