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7インチ盤専門店雑記575「コーティングに向かない国?」

アナログレコードのジャケットの紙質はいろいろありますが、英国盤に多いコーティング・ジャケと言われるものが人気だったりします。個人的にはコーティング・ジャケはあまり好みません。好きという方はまだあまり酷い目にあってないのでしょう…。

ヘッダー写真のレーナ―ド・スキナードの「Anthology」、いわゆるコーティング・ジャケットです。この盤、廉価盤CDベストでよく見かけたCastle Communicationsというところからリリースされております。

レーナ―ド・スキナードは飛行機事故で一旦消滅したバンドですが、それ以前の6枚のスタジオ録音とライヴ盤1タイトルからのコンピレーションでして、実は非常に有り難い盤だったりします。レーナ―ド・スキナードのアナログ盤は結構高価ですからね。オリジナル・リリースのものはなかなか手が出ません。コンピレーションもなかなかこれぞ決定版というような盤がなく、87年リリースのこれが重宝したりします。

ところがこれ、ゲートフォールドなのですが、内側が貼り付いており、開けません。ゲートフォールドの内側にコーティングはあかんでしょという典型例です。ゲートフォールドの場合、内側はコーティングのない紙質になっていることがありますし、やはり望ましいです。高温多湿の日本特有の悩みなのか、米国南部などでは問題ないのか、しっかりリサーチはしておりませんが、アメリカ盤ではコーティングはあまり見かけないところをみると、貼り付くということが判っていらっしゃるのか…。他にも、気泡が入ってしまって、そこからコーティングが浮いてくるというのは結構あります。あまりコーティング・ジャケットが好きではないという理由がご理解いただけますでしょうか。

この盤に関しては、盤質等は問題ないので猶更悔しいのですが、実を言うと選曲が自分の好みではなく、さほど期待していたわけではないんです。ですから「お安くしときます」的な売り物でいいのですが、やはり嬉しくないですよね。オリジナル・リリースはもう高止まりしておりますからね。状態のいいものが買えると思わないほうがいいアーティストです。それ故に、というやつでもあります。選曲はとにかく「Sweet Home Alabama」と「Freebird」がライヴ音源なんです。代表曲であることは間違いないと思いますが、そしてあのライヴは大名盤ですが、コンピはスタジオ録音にして欲しかった、…もしくは両方入れといてよといったところです。

ただ、昨今のレコード・ブームもあるからか、Castle Communications盤も玉数的には限られておりますから、容易に手に入るものではありません。意外なほど高額だったりします。…バンドの歴史が歴史ですから、人気はあります。買う時は貼り付いてないか確認が必要ですし、まだ貼り付いてなくても紙などをはさんで貼り付かないようにしておく必要があります。…面倒なヤツです。

アメリカ盤のあのザラッとした手ざわりの紙質のジャケットは好き嫌いあろうかと思われますが、案外よくできたヤツなのかもしれません。…シールは剥がれませんけどね。


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