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7インチ盤専門店雑記133「大ヒット前2」

先日、REOスピードワゴンについて書いたところ、いろいろご意見をいただき、あらためてもう少し書くべきかと思いまして、…書いております。

とにかく80年代にパワー・バラードの名曲をいくつかヒットさせた彼らですが、ヒットが出る前は「売れないのに解散しないバンド」の代表的存在だったわけです。とはいえ、80年代のヒット曲「キープ・オン・ラヴィング・ユー」や「キャント・ファイト・ディス・フィーリング」などを書いたヴォーカルのケヴィン・クロ―ニンが解雇されていた時期があったり、結構ゴタゴタしていたバンドなんですよね。80年代の黄金期のメンバーが揃ったところで売れ始めたので、やはり売れるには揃っているべき条件のようなものがあるんでしょう。

ただ、それまでノリのいいロック・バンドだったのが、バラードで売れてしまったことの悲劇みたいな部分もあって、80s体制も長続きはしなかったわけですけどね。初代のヴォーカリストは、とうもろこし畑に置き去りにされて解雇されたという笑えるような、笑えないような逸話のある連中でして、あまり仲良しバンドではなさそうです。

大ヒット後、初期のアルバムはクズのように言われてしまったのも悲しいことでした。個人的にはわりと早いうちから好きだったので、「そんなに悪くないんだけどな…」的な感覚が常に付きまとうことになってしまいました。結局売れてしまったことで、産業ロックという揶揄する言葉がまんま当てはまる好例になってしまいましたからね。80年代のヒット・アルバムは音質もロック的ではない気がして、そこがまた悲しかったんですけどね。…今聴くと、ビックリするほど中低音が細いんです。

しかも、この人たち、さすがというか大ヒット前の曲を集めたベスト盤をすかさずリリースしております。しかも2枚組。しかも1面がライヴで、既存のライヴ盤とは違った、そこにしか収録されていない音源が含まれているので、価値があるような、「コノヤロー」的な感覚を煽るような、何とも言えない盤だったりするんです。その当時、2枚組は結構いいお値段でしたからねぇ…。今中古盤でお安く買える分には、有り難い盤という気がしちゃいますけどね…。ナンダカナア…。

ちょいとこっぱずかしくてMVのリンクを載せる気がしません。音質的には大ヒット前の方がよかったんだという部分が伝えられればいいんですけどね。



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