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さらまわしネタ帳055 - 潮目

エレン・フォーリーという女性をご存知でしょうか?シンガーであり女優でもあり、どちらの世界でもそこそこ人気のある方です。一番有名なのは、ミートローフの代表作「地獄のロック・ライダー Bat Out Of Hell」で歌っていた人です。このアルバム、1977年10月にリリースされていますが、ロングラン・ヒットになったことでも有名で、結局のところ4300万枚以上売り上げているということですから、凄いです。

彼女自身のアルバムは5枚ありまして、1枚目が1979年の「ナイトアウト Nightout」、2枚目が1981年の「スピリット・オブ・セント・ルイス Spirit Of St. Louis」、3枚目が1983年の「アナザー・ブレス Another Breath」、そこで音楽活動はいったんペースを落とし、4枚目は2013年、5枚目は2021年にリリースされております。特別売れたわけでもなくて、ファーストが英国で68位、セカンドは同じく英国57位までという結果に終わっております。…アメリカ人なんですけどね。

ミートローフとの活動後に拠点を英国に移したようで、モット・ザ・フープル解散後のイアン・ハンターのバック・コーラスを務めておりました。その関係でファースト・アルバムは、イアン・ハンターとミック・ロンソンが全面的にバックアップしているわけなんです。ある意味、モット・ザ・フープルが好きな人間にとっては、重要なコレクターズ・アイテムというわけです。ただ、時期的にはイアン・ハンターが精力的に悪戦苦闘していた末期にあたります。これが彼女にとっても潮目だったんですかねぇ…。

セカンド・アルバムは、ザ・クラッシュの全面的なバックアップとなります。アルバムの半分の楽曲も提供してもらっていますから、こちらはクラッシュ好きには要チェックということになります。

自分はモット・ザ・フープル大好き人間ですから、このファースト・アルバムは随分聴きましたし、好きでした。セカンド・アルバムはイマイチ好きになれなかったんですけど、じゃあ自分がクラッシュが嫌いかと言うとそんなことはないわけで、主要なアルバムは全部買いましたし、「ロンドン・コーリング」や「サンディニスタ!」は随分聴きこんだ方です。エレンさん、一応「サンディニスタ!」と「コンバット・ロック」でも歌っております。

さらにはジョー・ジャクソンの「ボディ・アンド・ソウル」にもフィーチャーされております。英国人からは随分モテたわけですね。しかも、濃い~あたりが名を連ねます。正直なところ、自分のようなクレジット・オタクにとっては、凄い人ということになります。では、代表曲は…。特にありません。申し訳ありませんが、そういうことになってしまいます。

この方、女優としても、「ヘアー」「トッツィー」「カクテル」などなど、それなりに活躍されております。主役というわけでもないのですが、錚々たる作品に出ているんです。歌手としても、女優としても、生粋のバイ・プレイヤーなんですかね。実はそういう人間が結構好きだったりするんですけどね。


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