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さらまわしネタ帳057 - 21世紀のアナログ(1)

今日は中央エフエム「さらまわし・どっと・こむ」の本放送OAの日ですから、事前に番組後記の準備をしたり、いろいろな作業をやるために、朝もはよから店にきております。とはいえ、作業は直ぐに終わってしまう程度のものしか今はありません。如何せん臨時休業しているので、「かけたレコ―ドはお買い上げいただけます」という他にあまり例をみないことをやっている番組でありながら、その部分が出来ないわけです。

普段なら値札の確認をして、買える状態にしておくとか、夜営業ができているときは、お客様と一緒にラジオを聴く会をやっていたりしましたからね。結局準備するといっても、本当に番組後記のアップロードの準備と、直前に「間もなくOA始まりますよ~」みたいなことをSNSで書き込んだりする程度しかできないわけです。

ただし、今日はちょいと事情がありまして、来月分の収録が夕方からあるんです。あまりのんびりはしていられないわけですね。それでも選曲も早くに済ませてありますし、ラフ原稿も打ち出し終わっている状態ですから、荷づくりさえ済んで、何とか無事にスタジオにたどり着ければいいだけです。

悲しいかな、今日は少し心残りのある選曲・選盤になっておりまして、もう今更どうしようもないのですが、「悔しいなぁ」みたいな状態で収録に臨むのはお初だったりします。まずはヘッダー写真のホセ・ジェームス君ですが、こういう盤をかけたくないという拘りが少々ありまして、…ひどくないですか?アメリカ盤のQCは相変わらずこんなもんなんです。音質は基本的に重量盤ですから、昔よりはよくなりましたが、ラベルが破れたままプレスしますかね?日本じゃあり得ないとか思うのは身びいきですかね?

それから、もう一枚、ロバート・グラスパーの12インチ・シングルですが、ひどく盤がそっているんです。CDだと絶対に読めませんからね。まあアナログの嬉しいことは、少々そっていても読み取れるんで、こちらはスタビライザーで押し付けて何とかかけてみるつもりです。本来はこちらの方が危険なんですけどね。ラベルが破れている盤は気分の問題ですからね…。

一昨年はリーダーの無音部分がない盤まで売られていましたし、昔とは違ってアナログ・レコードに詳しくない人間が製造過程に紛れ込んでいるんでしょうね。それにしても、チェック体制とか無に等しいんですかね?ここまでくると、洋楽の世界でもオリジナル盤への拘りより日本盤のクオリティの安心さが勝ってしまうような気にもなります。

さて、アナログ盤でかけることに拘っている番組ですから、どうしても古い曲ばかりかけております。とりわけ、可能な限り7インチ盤でなどと言っている手前、1970年代以降のアルバム志向が強くなってからの音源より、1950年代60年代の7インチ盤が主流だった時代が中心です。でも好きなのは1970年代80年代のヒット曲だったりするのでややこしいんですけどね。加えて21世紀になってからの音源も無いわけではありませんが、なかなかかける機会を見つけられないでおりました。それでもやっと「21世紀に聴くアナログ」というテーマで1回やってみるかとなり、ホセ・ジェームスやロバート・グラスパーのご登場となっているわけです。

「どうせノラ・ジョーンズとかマデリン・ペルーとかかけるんだろう」と思われるかなと先回りしまして、その辺はあえて外してみました。だいいちノラ・ジョーンズもマデリン・ペルーも好きな曲はもうかけちゃっていますからね。今回はあえて、ジャズに拘らないでもう少し幅広くいくかというのが内心のお題だったりします。まあ、もの凄く悩みましたけどね。

そんなわけで、「こんなの1回で終わるわけないな」というのが、やる前からの感想だったりします。これまで毎月第3週をジャズ/フュージョンの回にしていたのですが、ディレクターK氏から「ジャズに拘らなくてもいいですよ」というOKがもらえましたから、しばらくは第3週を新しめの音源をかける回にしようかと考えております。結果的にどうしてもジャズ寄りにはなるんですけどね。

ただねぇ、新しめとか言っても、ノラ・ジョーンズのファーストですらもう20年前なんですよ。自分の感覚では1990年代以降の、一度アナログが冷え込んでからは、すべて新しめの音源なんですけどね。…若い人には笑われてしまうかもしれません。…言い回し、気を付けよっと。

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