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7インチ盤専門店雑記673「グレート・カヴァー6:モトリー・クルー」

あるお客様が「あの時代、皆んなモトリー・クルーになりたかったんだ」とおっしゃっていたのが忘れられません。私より少し上の世代だと、ビートルズやサイモン&ガーファンクルといったところでしょうか。私の世代ではディープ・パープルやレッド・ツェッペリン、もう少し下の連中は「安全ピン刺すのは痛いからフュージョンに走った」などと言っております。…そうでしたか、80年代後半あたりだとモトリー・クルーでしたか。…まあその後はニルヴァーナですかね…。多くのアマチュア・バンドがコピーする元ネタって時代とともに変遷するんでしょうかね。ビートルズはいまだにやっていたりするので、根強い人気ですね。ディープ・パープルは高校の音楽の教科書に載ってますからねぇ…。

スタンダード・ナンバーでもない曲を探し出してきてカバーするという作業は、なかなか楽しそうですね。オリジナルを超えるカヴァーでないと売れないと思ってやるんですかね?デフ・レパードがグラムロックを中心とした70sナンバーをカヴァーしたのは、子どもの頃に聴き馴染んだ大好きな曲をカヴァーしたんだなということが感じられて、妙に好感が持てました。2006年の「Yeah!」は大好きなアルバムです。聴いていて楽しくなるので、一時期随分繰り返し聴いたものです。日に2〜3回、毎日毎日、中学生のような聴き方をしてしまいました。…本当に好きな曲ばかりでしたからね。ヴォーカルのジョー・エリオットは自分と同じ学年ですからね。当然といえば当然のマッチングです。

80年代のHR/HMバンドは随分楽しいカヴァーを聴かせてくれました。クワイエット・ライオットのスレイド・カヴァー2発はサイコーでしたね。グレート・ホワイトの「ワンス・ビトゥン・トゥワイス・シャイ」も楽しいやら、意外やら、ちょっと複雑な気分でもありました。ポイズンの「ママはダンスを踊らない」も好きでしたねぇ。ホワイトスネイクはライヴでZZ TOPの「Tush」の歌詞を変えて楽しそうに演奏しておりました。…皆んなあの辺りはお好きですよね。

さて、モトリー・クルーは随分渋いところのカヴァーでした。「Smokin' InThe Boys Room」、ブラウンズビル・ステーションのカヴァーです。むかしの邦題は「隠れ煙草」、…笑えます。コミック・バンドですから、歌詞で取り上げるお題もいい線です。そしてモトリー・クルーは比較的忠実にオリジナルのタイトな演奏を再現しております。MVも忘れられません。あの時代、MTVやベストヒットUSAなどを観ていた方は当然ご存知ですよね。悪ガキ・テイストも思い切りハマっておりました。

あの当時、この曲がカヴァーだということはあまり言われておりませんでした。まあそんなことはどうでもよくなるほど、自分たちのテイストにしておりましたからね。でも私はあちこちで、オリジナルがブラウンズビル・ステーションだということを喧伝しておりました。FENでしかかからない、国内盤もリリースしてもらえないヒット曲「マーシャン・ブギ」が大好きでしたから。


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