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清澄白河カフェのキッチンから見る風景 : 夏の読書

夏休みの宿題の定番、読書感想文、…嫌いでした。暑いのに読書が捗るわけないでしょ、無理でしょ、という心持ちがいまだに残っております。真夏は読書のペースが落ちます。当然ですよね。ブック・カフェ的な機能も持ち合わせているジンジャーは、本のお貸出しもしておりますが、夏は貸し出しのペースが落ちる…はずが、落ちないんですね。本好きさんは暑さにもめげず、涼しい部屋で読んでいらっしゃるんですかね。フツーに借りていかれます。尊敬してしまいます。

流石にここ1~2週間の異常な暑さで、脳ミソがギブアップと申しております。実は寒い方が苦手な人間でして、夏は比較的元気です。スタッフが早くも夏バテか熱中症かという程度に調子が悪いと言っているのを横目に、灼熱のキッチンで調理をし、猛烈な暑さの中を買い出しに出かけます。…それでも、さすがに読書は厳しいですね。カラダは何とかなっても、脳ミソは沸騰してしまいそうです。

ただし、 ↑ この手の資料的な雑誌を読むのも読書と言うなら、普通以上のペースで読み漁っております。当然ながらラジオ番組の構成を考えるからなんですが、こういうところに書かれている記事をそのまま喋るのでは面白くもないので、自分なりに勉強してきたことと照らし合わせて、矛盾がないかのチェックをしたりする程度ですけどね。言葉を選ばないといけないとは思いますが、「レココレもネタが尽きてきたかなあ」と思うことも多くなった昨今、以前のようなアーティスト特集が恋しくもありますが、まあ勉強にはなります。

加えて、ライターさんがお若い場合は、それなりに調査してもいらっしゃるでしょうから、信用しないわけではありませんが、無理な部分もあります。「ホントかぁ?」という情報は、こちらもウェブなどで確認もしますし、やはり参考程度です。どうしても年齢での限界はありまして、当時の空気感を感じる文章を求めてしまうのですが、…減ってきましたね。若い人にマウントをとり始めたら終わりという気もしておりますから、やはり言葉は選びますが、じっくり読む記事、斜め読みの記事、パラ見でとばす記事、どうしても分かれます。…もう時間が限られているので、という感覚が強くなっている手前、致し方ありません。とか言って、年齢が上の人の文章でもとばすものはとばしますし、若い人の文章でも役に立つと感じたり、面白ければ読みますよ、当然。

お客様との会話では、自分の弱い分野の場合だって十分にあり得ますから、資料的にターンテーブルそばに置いてあるものもいろいろあります。どうしても得手不得手がハッキリしてきましたから仕方ないです。でも  ↑ このあたりがもの言う程度で済んでおりますから、いい方でしょう。自業自得でしょうが、本当に詳しい人たちが集まってくるお店になってきましたからねぇ…。先日も一枚レコードをいただいてしまったんですけど、イタリアのプログレ・スイングですって…。「そんなジャンルあるんだ!」という程度に詳しくない分野です。また調べ物の領域が広がりそうです。

一方で写真集に関しては、昔は好き嫌いだと思っておりましたが、最近はその考えが引っ込みました。本当に価値があるものはやはり存在するわけで、ロバート・フランクやロベール・ドアノーの写真などは、繰り返し眺めて、多くの感性的な収穫をいただいている次第です。特に ↑ この2冊は凄いですね。時代の空気感が切り取られていますから、勉強にもなりますし、音楽と相俟って時代感覚を補正・補強してくれます。感性も磨かれます。

ロバート・フランクは以前に「メイン・ストリートのならず者」に絡めて書いたこともありますが、アメリカという国の大きさを再認識させてくれます。現在であればヒスパニック系のカルチャー、サブカルも考慮に入れて見ないといけませんが、年表だけではわからない、アメリカの歴史の一面を垣間見せてくれます。

ドアノーも素晴らしいです。音楽が聞こえてくるという方もいらっしゃいますが、私はそこまでではないにしても、ついつい繰り返し眺めてしまいます。そして、毎度、ぞわぞわしてしまいます。被写体の視線が好きですね。

ここしばらく、本を買ってません。芥川賞直木賞もそそられるものがありませんでした。もう少し時間に余裕ができたらと思いますが、この暑さの中、無理しても楽しめません。やはりラジオのトーク内容のチェックと、写真集や雑誌を眺める程度にしておいて、まずは夏を乗り切ることが大事かと思われます。

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