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7インチ盤専門店雑記334「余剰在庫ボックスは面白い」

ジンジャーには7インチ盤専門店がショップ・イン・ショップで入っているわけですが、如何せんカフェの中にあるレコ屋です。そんなに売り場スペースを広げることもできません。今の状態が限界かと思われます。7インチ盤に限って申しますと、2,000枚ほど販売ボックスに出してあり、2,000枚ほどがストックとしてカウンターの下などに置いてあります。ウェブ通販もやっておりますが、そんなに動きがあるわけではありません。

一応飲食店ですから、お店の中にレコードが溢れかえっている状況に嫌気がさし、先々月あたりからストックとは別に「余剰在庫ボックス」なるものを、段ボール2~3箱程度作りました。1箱に120~130枚程度入ります。ちょいとわけあって、何人かの方に無償で7インチ盤を提供したりする機会もありまして、そのネタ箱となっております。本当は売れればいいのでしょうが、また買い取りしてくれる店舗に持ち込めば、状態はいいものばかりなので、それなりの金額にはなると思いますが、買い叩かれるのも癪なので、そういう売り方はしておりません。

当初3箱にいっぱいありましたが、今は2箱パンパンといったところです。実はストック箱の整理をしながらどんどん補充しているので、一向に減りません。この「余剰在庫ボックス」当然ながら余剰在庫ですから、同じタイトルの盤が何枚も入っていたりします。ふと先日、ディープ・パープルの「紫の炎」の2枚の盤の溝の切り方が違うことが面白くてnoteでも書いたのですが、「ひょっとして他にもあるのかな?」と思うのは人の常、ガサゴソやってみました。

面白いところでは、ロッド・スチュワートの「セイリング」と「スリー・タイム・ルーザー」のカップリング盤は、元々「セイリング」がB面だったのに大ヒットしたからか、A面にした盤が大量に流通しております。この2種類の盤が、実は単純にAB面を入れ替えただけではなく、ちゃんとプレスし直したようで、溝の太さが違います。「紫の炎」もワーナーでしたが、ワーナーさん、何かその辺に拘りがありますかね…。

そして、ヘッダー写真のキム・カーンズの「ベティ・デイビスの瞳」がまた面白いんです。今回は溝の太さではありません。重量です。この曲のシングル、10枚ほどありましたから、マトリクスをチェックしていて、思い切り手が止まってしまいました。一枚だけ、妙に重いヤツがおるんですわ…。「何にゃ?…チラシでも入っとるかいな?」と思いましたが、違うんです。盤自体が妙に重いんです。

妙に重いヤツです…47.5g
他はみんな同じ体重…38.5g

飲食店ですからね、キッチン・スケールなるものがいくつもありまして、0.1gまで測れるスケールに載せてみましたよ。調理のプロや熟練主婦さんなどは皆さんそうだと思いますが、だいたいの重さが持っただけで分かります。たった9.0gの違いかと思われるかもしれませんが、7インチ盤ですからね、9g違えばかなりしっかりした印象です。マトリクス・ナンバーを見たところ、イチバン若い個体でした。東芝さん、ひょっとして、大ヒットして大量に追加プレスするとき、ビニール素材をケチって少なくしましたかね…?

「重量違い」と書き加えました

実は私、好きな曲は複数枚あると聴き比べたりするのも好きでしてね。この曲、大好きなもので、大量に仕入れたときに、聴き比べをしているんです。その時は重さの違いに気が付かなかったものの、音質の違いには気が付いてましてね。10数枚のうち2枚だけ、「音質良好」のメモが入れてあったんです。今回少し重いことに気が付いたのはそのうちの一枚でして、もう一枚の重量は他と違わないものも、やはりマトリクスはかなり若い数字なんです。マトリクスが若いと音質が良いというのは、アナログ・レコードの世界では一般常識かもしれませんが、その他の要因も絡め、いろいろ比べると、やはり初期盤が欲しくなりますね。

そもそも、同じレコードを何枚も買わないでしょうから、こんなことに気が付くのはレコ屋だけでしょうけどね。

↑ このMV、1億回以上再生されていますね。…凄いですね。

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