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FM84.0MHz Radio City presents "Saramawashi.com -The Vinyl Paradise" 012:J-Jazz特集

さらまわしどっとこむ -The Vinyl Paradise-
第12回(2021年12月17日(金)20時~
(再放送:12月19(日)19時~)

清澄白河にあるカフェGINGER.TOKYOのオーナー高山聡(あきら)がお届けする音楽番組です。
全曲アナログ・レコードでお届けします。しかも可能な限り7インチ盤で、しかもフルレングスでかけます。
サーフェスノイズにまみれた1時間、ぜひご一緒に。

今週のお題は「7インチ盤でJ-Jazz」、1曲目を除いて7インチ・シングルでお届けしました。

1曲目
「I Want To Be Happy」守安祥太郎他 (1954)

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まず「そして、風が走りぬけて行った」という植田紗加栄さんという方が書いた本に触れ、天才ジャズ・ピアニスト守安祥太郎の唯一の音源といわれる「幻のモカンボ・セッション1954」をご紹介しました。この現場には、駆け出しの頃の秋吉敏子や渡辺貞夫もいれば、駐留中のホレス・シルバーもいたりします。ご紹介した曲はアルバム冒頭の「アイ・ウォント・トゥ・ビー・ハッピー」、守安祥太郎のピアノを中心に、宮沢昭のテナー・サックス、鈴木久夫のベース、清水淳のドラムスです。1954年の演奏ですが、リリースされたのは1979年頃です。信じられないレベルでバップ・ピアノを体得しています。この録音がこれだけのクオリティで残されていたということも凄いですね。守安は31歳の若さで自ら命を絶ってしまいます。残念です。

2曲目
「オルフェのサンバ」渡辺貞夫 (1967)

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モカンボ・セッションの現場には渡辺貞夫さんもいたりするんですけど、まだ駆け出しで守安祥太郎からチャーリー・パーカーのコピーの仕方まで教わったということです。彼は1962年に渡米してバークリー音楽院に留学しますが、結局むこうでライヴばかりやっていて、65年には帰国してしまいます。帰国後はボサ・ノヴァとかを日本に紹介したりして大人気となりました。66年と67年の2年間で、11枚ものアルバムをリリースしてしまいます。そして7インチ盤もしっかりリリースされているんです。「オルフェのサンバ」も7インチでご紹介しました。ここからは一応全曲7インチ盤です。

3曲目
「鈴懸の径」鈴木章治 (1957)

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1950年代半ば、新しめのビバップ、ハードバップその後フリージャズに行ったりするあたりとは全く別の流れとして、一部の昭和歌謡の中にジャズの血が流れているものもありました。そういった歌謡曲と同じ土俵で売れに売れたオールドスタイルのジャズ、鈴木章治さんの「鈴懸の径」をご紹介しました。ベニー・グッドマン楽団が来日したときに、番頭さんのピーナッツ・ハッコーと一緒に録音したものです。どういった加減か、ラジオ局にリクエストが殺到し、結果レコードとしてリリースされたという一枚です。

4曲目
「ユニコーン」渡辺香津美 (1980)

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魔球の落差、時を経て1970年代後半の、大フュージョン・ブームを語りました。とはいえ、7インチ盤でご紹介できるものには限りがあります。CMタイアップというのは7インチ盤の世界では強い味方でして、中古盤市場に多く流通しています。ローディのCMで使われた「ユニコーン」はJフュージョンを語るうえでは欠かせない一曲でしょう。

5曲目
「Blue Lagoon」高中正義 (1980)

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もう一曲、高中正義さんの「ブルー・ラグーン」ですが、きれいにまとまり過ぎていて、ジャズからはかなり距離があるかなどと言っております。「ユニコーン」とほぼ同時期にヒットしていた曲としてやはり欠かせないものですけどね。

6曲目
「思い出のマジョルカ」松岡直也&Wesing (1979)

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もう一つの流れとして、ラテン・フュージョンというものをご紹介しました。松岡直也さんです。ウィシングを率いて、海外のジャズ・フェスでも猛烈な評価を得ておりました。

7曲目
「シニア・ドリーム」阿川泰子(1980)

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フュージョン・ブームの最中に大ヒットしたジャズ・ヴォーカル曲がありました。阿川泰子さんですね。「ネクタイ族のアイドル」とか「シュガー・ヴォイス」とか言われておりました。なんせ9万枚も売ってしまいまして、後にも先にも、ジャズ・ヴォーカルでは史上稀にみる大ヒットとなりました。阿川泰子さんは「鈴懸の径」の鈴木章治さんのところの専属ヴォーカルとして、1973年にデビューしていまして、その辺のつながりなどもご紹介しました。

8曲目
「シティ・コネクション」日野皓正 (1979)

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時間が無くなってきたこともあり、駆け足でもう一曲ご紹介したのが、もう少し正統派寄りの日野皓正さん。向井滋春さんや日野さんが出ているピット・イン・ライヴ、随分通いました。

9曲目
「カトピリ」小野リサ (1989)

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エンディングですが、世界で勝負した一人としてブラジルに渡って活動を続けていらっしゃる小野リサさんで締めとなりました。いい声です。これも凄い数のCMタイアップだったりします。

次回は今年入手した7インチ盤の特集です。ようは最近気に入っている曲の特集です。次々回、大晦日は今年リリースされた新盤LPの特集で締めます。お楽しみに。

番組へのご意見やお便りをください。
voice@fm840.jp

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