見出し画像

さらまわしネタ帳031 - 音楽誌はお好き?

最近は音楽雑誌をほとんど読みません。昨年レコード・コレクターズ誌の名物連載「レコード・コレクター紳士録」に載ってしまうという事件がありまして、昨年に限りレコード・コレクターズ誌は結構購入しましたし、読みました。自分が載っている号(2021年4月号)は20冊以上買いましたけどね…。昔はレコード・コレクターズ誌もよく読みました。最近は記事の正確性に不安を抱きつつも、ウェブ・マガジンの方が頼りだったりします。紙媒体はウェブに比べて、やはり圧倒的に正確な情報を提供してくれました。それに、今でも紙の方が好きは好きなんですけどね。

他にジャズをディグしていった頃にスイング・ジャーナルもよく読みました。古いスイング・ジャーナルに載っている油井正一氏の文章が好きで、随分買い集めた時期もありました。もう一つジャズ批評という隔月刊誌も時々購入しました。たまに面白い特集があり、気になったときだけ購入したものです。ただこの雑誌のおかげで、音楽誌を読まなくなったとも言えます。

こちらでは原田和典さんというライターさんの文章が特に好きでした。音楽愛を感じるグッド・センスな文章は読後感が非常にいいんです。ディスク・ガイドも本当に役に立つタイプのものです。ところが、特集記事の文章の一部は、もう病気というか、コレクション自慢みたいなものも結構あって、マウンティングまみれのSNSと同様、読むと気分が悪くなるようなこともありました。昔のスイング・ジャーナルのように、ジャズに対する猛烈な熱量で圧倒されるのとも違って、なんか後味が悪いんですよねぇ…。その辺が残念でなりませんでした。

ただ、2004年7月号(No.120、ヘッダー写真)は、いまでも時々取り出しては読み返すバイブル的な号だったりします。「ジャズ ニュー・ジェネレーション 2004」という特集が非常によくできていて、参考になるんです。ここに登場するアーティストは全員要チェックでした。もう少し後に出てきたテイラー・アイグスティやベッカ・スティーヴンス、グレチェン・パーラト、ラリー・グレナディアとレベッカ・マーティン夫妻あたりが載ってないのは残念ですが、18年経った今でも、その後を検証しながら読み返せるクオリティです。実は昔ながらのジャズ評論を書かれている某ヴェテラン氏は、やはり感覚が古いなという反面教師的な検証にもなっていたりするんですけどね…。

このジャズ批評誌、銀座にあったジャズ喫茶オレオのオーナーだった松坂妃呂子さんが同人誌的に始めたものなんですね。長いこと和田誠氏のイラストが表紙でしたから、よく本屋で手に取りましたし、好感度は高かったんです。現在でも20数冊は手元にありますけどねぇ…。Wikipediaには岩波洋三氏の「良い意味でジャーナリズムの伝統が生きている雑誌」というお言葉が載っております。なるほどと思いますね。さすがです。

面白い特集もあるんですけどね…

自分は2014年に前職を退くまでは、結構な割合でジャズを聴いておりました。しかし、会社を立ち上げ、店をつくってからは、ジャズとは距離を置くようになりました。世の中のカフェの多くが、BGMにジャズを流している状況も気に入りませんでしたし、「ジャズ喫茶がやりたいわけじゃないんだ」という気持ちが強く、凝り固まったようになってしまいました。

そう思うようになった原因は、ジャズ批評あたりに登場する病人のようになりたくないという気持ちも一端にあったと思います。自分の周りにいたジャズ好きが、あまりに他の音楽に理解を示さないという部分も、自分のルーツが思い切りポップなところにあるもので、少々嫌悪感を抱いたかもしれませんね。ジャズ批評がその象徴のようになっているのでしょう。

実はビートルズ・ファンで他の音楽に興味を示さない人たちも困りものなんですけどね。「これ、いいですよ」と若いアーティストを紹介しても、ビートルズの遺伝子を無理やり見つけ出そうとしていたりするので、気の毒になってしまいます。

そういえば、ストレンジ・デイズという雑誌も結構読みました。これもかなり病気度合が高めの雑誌ですが、こちらは好感が持てる病人模様でして、ニヤニヤしながら読めます。アイテムが絞り込んであるので、お好みの方にはいい雑誌です。

自宅にはレコード以外にも古雑誌の山がありまして、見始めたら止まりません

最近は天然生活しか定期購読しているものがありませんので…って、これ音楽誌じゃないや。自分にとって音楽は、聴いてよければそれでOKなわけで、音楽誌はディスク・ガイド的な記事だけで十分なのかもしれません。自分も余計なことを言ったり書いたりしていないか、時々不安になります。今回は半分反省の意味も込めて書いてみました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?