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7インチ盤専門店雑記097「ノッティング・ヒルビリーズ」

大好きなマーク・ノップラー関連音源の中でも、五指に入るかという好きなアルバムです。渋いです。これが英国のバンドというところがいいんです。アメリカじゃここまでベタなカントリー・ロックがもうウケなくなっていたかもしれません。オルタナ・カントリーなどが人気になっていた1990年の盤です。

いわゆるカントリー・ミュージックはギンギラギンにハデな衣装と舞台装置でロック以上にケバケバしたものになってしまいましたし、こういったヒルビリー/アウトロー系の渋い音楽が少なくなっていたように思います。80年代にカントリーの細分化が進んで、トラック・ドライヴィング・カントリーだの、カウ・パンクだのと言い始めてから、こういう渋い音楽はウィリー・ネルソン以外、耳にしなくなったように感じておりました。そこにまさかの英国からこのバンドが登場したわけですからね。

とはいえ、ダイアー・ストレイツも然りなんです。「サルタンズ・オブ・スイング」で渋めにデビューしておきながら、「マネー・フォー・ナッシング」あたりまで行きついてしまうわけですからね。マーク・ノップラーもエリック・クラプトンとツアーをやったり、もういいかなとなったんですかね。大きな揺り戻しがきましたからね、この人は。その後の彼のソロ・アルバムはどれも渋いものが多く、かなりハマって聴いたものです。

ただねぇ、この盤、1990年リリースというタイミングが、時代の要請でもあったように感じられるほどなのですが、その1990年ということは、アナログ盤が非常に入手し難い時期のものということにもなります。中古盤市場でも、かなりいいお値段になっております。2014年にアナログで再発されたときもあっという間に売り切れでしたからねぇ…。アナログ向きだなと思うものほど、こういうことになっているんですよねぇ。


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