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さらまわしネタ帳106 - ローカル・カルチャー

先般取材を受けて喉を潰したということを書きましたが、そのインタビューが記事になりました。有り難いことです。媒体はARBANという、「ジャズを中心としたカルチャーメディアです。

今はトップページにドーンと載っておりますが、そのうち奥深いところに行ってしまうかもしれませんので、本当はいけないことなんでしょうけど、直接のURLも載せておきます。

インタビューをしてくれたライターさんがいろいろ知識のありそうな方で、ついつい釣られて多くしゃべり過ぎたかもしれませんが、かなり核心を突いた内容になっているかと思います。普段は音楽関連の話題で完結してしまいますからね。このカフェは奥が深いぞということでご紹介いただけたことは本当に有り難いことです。

この記事は非常に上手く纏めていただけたと思いますので、あえて個人的にウケた部分を一つご紹介しましょうかね。というのもきっちり説明したのに出てこないことがありまして、内容的に忌避されたかとも思いますので、笑い話として書いておきます。深川のローカル・カルチャーを発信したくてこのカフェをやっているという物言いで、例示として毎度ご紹介するネタです。

世の時代劇というものに時々「夜鷹」という女性が登場します。春を売る方たちですね。おそらく最近の時代劇はすべて「夜鷹」に統一されているんです。これがまずいんです。実は深川界隈では「船饅頭」と呼ばれていたんです。「御宿かわせみ」や「鬼平犯科帳」などという有名どころはこの辺が舞台になることも多く、統一してしまうのはちょいとまずいわけです。

しかも人気のおねえさんにお千代さんという方がおり、そこから転じて春を売る小舟を「お千代舟」と呼んだ時代もあるわけなんです。従ってこの土地では女の子が生まれても「千代」という名前は避けられたわけです。…でも忘れられてしまってないですか?という話なんです。深川のローカル・カルチャーは色っぽい話がてんこ盛りでして、新大橋の際のお婆などは古い書物のあちこちに登場します。もともと他人様の目を避けて、船で遊びにきた土地ですから…。でも行政は都合の悪いネタは隠すわけです。こういったネタは、個人が面白がって語り継がないと霧消してしまうものなんです。

まあ、こんな話をしても、そして面白いと思っていただけても、なかなか文章にはなりません。だから自分で書いておきます。そういうわけで、今回も文章にはならず、個人的にウケたというわけです。

でもこうやって音楽メディアなどでご紹介いただけるのは本当に有り難いです。ローカル・カルチャー、サブカルに興味のある人が、少しでもウチに興味を持っていただければ、こちらの目的も達成しやすくなるんです。ただ小唄端唄の話題まで楽しめる方がいらっしゃるかどうかなんですけどね。謡いや日本舞踊も、遡れば能・狂言の知識がないと語れませんしね…。そういったもののさらにローカルとなると、意外に難しい世界なんです。7インチ盤も実は底知れず深い深い世界なんです。

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