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7インチ盤専門店雑記591「キム・カーンズのLP」

トークイベントに毎回のようにご参加いただいている常連さんのK氏から「キム・カーンズのLPが手に入らない」ということを言われ、お譲りすることになりました。普段は自宅に置いてあるアーティストですから、イベント前に店に持ち込んだというわけです。…お店でリクエストが入るのは一曲のみですから…。しかも7インチ盤がいっぱいありますから、LPは自宅に置いておくべきでしょう。

1960年代のサブカル近現代史を語るイベントで、歌声喫茶などと合わせて、ニュー・クリスティ・ミンストレルズというコーラス・グループをご紹介しました 。80年代に大ヒットがあるキム・カーンズがここでデビューしているという小ネタもご紹介したところ、K氏、キム・カーンズがお好きだったんですね。その後もレコ屋で探したりしたのでしょうか。

私個人は特別思い入れのあるアーティストではありませんが、「ベティ・デイヴィスの瞳」に関しては語りますよ。いい曲ですから。以前にもラジオ番組の女性ヴォーカル特集の回で以下のように語っておりました。

ここでも2曲ききましたが、「ホエン・ユー・ウォーク・イン・ザ・ルーム」はジャッキー・デシャノン作の名曲です。ジャッキー・デシャノンはキム・カーンズの「ベティ・デイヴィスの瞳」等の作者です。多作の人で、ロックンロールの時代の最初のシンガー・ソングライターの一人と言われております。ビートルズ人脈としても知られていますし、60年代の中ごろにジミー・ページと恋仲だった時期があり、レッド・ツェッペリンの研究家などは、サード・アルバムに収録されている「タンジェリン」は、ジャッキー・デシャノンの影響が見られると指摘していたりもします…。

(中央エフエム さらまわし・どっと・こむ 番組後記)

…といった塩梅です。決して疎かにはしておりません。「ベティ・デイヴィスの瞳」が収録されている1981年にリリースされた6枚目のアルバム「Mistaken Identity」はジャケが2種類ありまして、…当然ながらが両方あります。

お探しは1983年の8枚目「Cafe Racers」というアルバムでして、状態が非常にいいものがありました。ここからシングル・カットされた7インチ盤もあったと思っておりましたが、在庫ボックスにもないので、いつの間にか売れてしまったのでしょう。日本では特別人気がある人ではありませんが、何気にどのアルバムもよくできております。あの思い切りハスキーな声が好きか嫌いかでしょうが、曲はいいものばかりですから集め甲斐はあります。ただ「Mistaken Identity」よりも前のアルバムは見たこともありません。

「カフェ・レーサー」の盤のレーベルはチェッカー・フラッグのデザインになっております。大したことではないかもしれませんが、デザイナーさんが楽しんで仕事をしたかのようなこういった意匠が大好きです。ヴェスパに乗っているこのジャケットも好きですねぇ。埋もれてしまうには勿体ないアルバムです。

80年代の空気感がちゃんとありますね。

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