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7インチ盤専門店雑記346「シンプリー・レッドとルーシー&ケントス」

開局当初のJ-WAVEでパーソナリティを務めたルーシー・ケントさんの声、好きでしたねぇ。「J-J-J-J-WAVE!」懐かしいです。六本木のケントスのステージで歌っていたのを観たこともあって、何気に忘れられない人です。実はご縁があって、他にもお会いしたことがあるのですが、如何せん80年代の猛烈な喧騒を駆け抜けた時期の一瞬の邂逅、そして30年後の再会、しっかりした記憶とは縁のない話です。

とにかく、彼女が書いた本「ラジオに恋して」がもう名著も名著、へたなサブカル近現代史の資料よりも役に立つ記憶発掘装置です。単に懐かしいと言うのとも違って、自分の後ろ姿が見えるのではないかと思ってしまうほど親近感に満ち溢れております。J-WAVEが始まってからは知らずに聴いていたわけで、バラバラの記憶を繋ぐパズルに挑戦しているようなことになってしまいます。

シンプリー・レッドの7インチ盤を整理していて、もの凄く懐かしくて悶絶状態です。踊りには行かなかったクセして、ダンサブルなシンプリー・レッドが好きでした。…好きではない曲も結構ありますけどね。彼らの曲を聴くと、時代感覚が蘇ってきて、合わせて開局当初のJ-WAVEでよく聴いたなぁということを思い出して、何かゾワゾワするような変な感覚に塗れてしまいます。

そして、ふとオールディーズのレコードでルーシー&ケントスとかあったよなぁ…持ってたよなぁ…となってしまい、ガサゴソと、あてもなく探してみたところ、1分もしないうちに出てきて、反対にそのことにビックリしたりして…。ご縁ですかね。紹介しとけ〜ということですかね。

自分の周辺だけの話なのかもしれませんが、80年代中盤、オールディーズのブームがあったんですよ。誰も「あった、あった」とは言ってくれないんですけどね。大学4年で役所の採用試験も終わった頃、現役検事さん主催の勉強会で結構頑張って勉強していた頃の話ですが、「おい、腹減った、食いに行くぞ」と無理やり連れ出され、いつの間にか飲み会になっていて、2軒目でケントスに行ったりしたんですよね。もちろん全部ゴチです。オールディーズのライヴで盛り上がって…。あの時歌っていたのはルーシー・ケントさんだったはず…。

役所に入ってからも、先輩方が「オールディーズで踊れる店があるんだけど、行かない?」と何度か誘わて、一回しか行きませんでしたけど…、確かにあの頃、オールディーズで踊っていた人たちが少なからずいたはずなんですよね~。

正直なところ、この時期は思い出したくない記憶も結構あるので、脳ミソが勝手に蓋をしている部分があるようです。それがちょっとしたキッカケで漏れ出てくるんです。例えばシンプリー・レッドの「ライト・シング」を聴いて、「自分は法曹には向いてない」と苦渋の方針変更を決めたことなどが蘇ってきてしまうようです。だからなのか、最近シンプリー・レッドは「ホールディング・バック・ジ・イヤーズ」以外はほとんど耳にしていなかったんです。…ああ聴かなきゃよかった。…お腹痛くなっちゃった。

87年頃の話ですから、どうしても7インチ盤はウルトラ・レア、ほぼ見本盤のみという時期です。でも音質は素晴らしいのひと言。好きなら探してみる価値はあります。

その一方で「オールディーズ・ステーション」、Oh My God!!何とチープな鳴り、…比べてはいけなかったみたいですね。オールディーズだから意図的な音なのかな…。まあ87年88年頃の7インチ盤が素晴らしい鳴りなのだということにしておきましょう。 それにしても、これDJ小林克也ですね…。案外貴重な盤?


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