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7インチ盤専門店雑記091「お客様的演奏?」

パット・メセニーの音源であれば、何はともあれ入手しておりました。まあ大好きなギタリストです。常にクオリティが高いので、安心して聴けます。高すぎて、何やっているんだか、よく分からないものもありますけどね。…オーケストリオンとか、…あれなあ…。フリーやっているつもりらしいノイズ系も、この人のは面白くないしなぁ…。

ライヴ音源も大量にあるようですが、権利関係があやしいヤツも含め、結構聴きました。でもやっぱりいい音で聴きたい人なので、オフィシャルがいいに決まってます。この盤も素晴らしい音質でした。…でもね、これ、あまり満足したことがありません。数回聴いて放り出した盤です。どことなくお客様的演奏が気になっていけません。まあ師匠の盤ですからしょーがないのかも知れませんけど。

一方で、「Parallel Realities Live…」という音源がありまして、こちらはジャック・デジョネット(Dr.)、パット・メセニー(g)、デイヴ・ホランド(b)、ハービー・ハンコック(key)というメンツの1990年6月メロン・ジャズ・フェスティヴァルでの録音ですが、JAZZ DOORです。分かる人には分かる、安っぽいんですけど、貴重な音源をリリースしてくれるレーベルです。各楽器の音の分離はよろしくない、だからオーディオ趣味的にはイマイチなどと言われたりしますが、ライヴなんかで音の分離が悪いがゆえに迫力があるものもありまして、何とも評し難いものです。

この2枚、ついつい聴き比べモードが立ち上がってしまいます。パット・メセニーは同じように真面目に弾いておりますが「パラレル~」のほうは熱がこもっているというか、上手い人がおりゃー!とやったライヴの凄さみたいなもので、かなりいいです。パットの自己名義ではないライヴの中でかなり上位にランク付けされる盤です。ベースも両方デイヴ・ホランドですから、やはり堅実、真面目というか、暴れる人ではないかも…。

面白いのはチック・コリアvsハービー・ハンコックのキーボードと、ロイ・ヘインズvsジャック・デジョネットのドラムスですかね。いやあこれほど個性むき出しにできるんだから羨ましい技量です。チック・コリアはクール、ハービーはホット、とでも言っときましょうか。あえて白黒つけるならハービー、いい仕事してます。ドラムスは実はロイ・ヘインズの方が好きなんですけど、この2枚を比べちゃったらジャック・デジョネットの方に軍配を上げちゃいます。まあ音楽は好き嫌いであって、優劣なんてありませんから、私個人の感想ですけどね…。

加えていえば、ゲーリー・バートンのアルバムと考えると、ヴィブラフォンの音はどうでもいい自分にとって、不利な要素でしかないんですけどね。やっぱ、ホットなジャズ、ライヴで聴きたいなぁ…。今日はこいつを大音量で鳴らしてみますかね…。

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