7インチ盤専門店雑記109「エンジェル」
「ネヴァー・ア・ダル・モーメント」に収録されているジミ・ヘンドリックスのカヴァーです。B面の「ミルウォーキー」がアルバム未収録曲ですね。こういう未収録曲が7インチ・シングルの高騰化に拍車をかけるわけですが、そもそもこの盤、もの凄くレアです。それでも、イギリスでは4位、アメリカでは40位までいったヒット曲です。日本ではどうだったんでしょうね。少なくともラジオから流れてきた記憶がありません。おそらくそんなに売れてはいないと思います。
ただ「エンジェル」に関しては、ライヴ音源をやたらと耳にした記憶はあります。1974年リリースの「Coast To Coast : Overture And Beginners」の音源ですね。イラスト・ジャケットのあのライヴ盤は大好きで、それこそ何枚も買いました。ものによって随分色味が違っていてビックリです。そして、残念ながら大していい音質ではありません。まあライヴの迫力は伝わってきますけどね。山内テツさんが要る時代のFacesの音源、過小評価されてしまいますが、いいものはいいです。このライヴ盤の「エンジェル」、最高のテイクです。特に歌い出しが、もうこれしかないだろうと思ってしまうほど、キマっています。やはりロッド、歌が上手いです。
まもなくラジオで30年前、40年前、50年前の音楽シーンを特集しようと思って、50年前つまり1972年の音源に集中的にあたっているんです。30年前つまり1992年は、アナログ盤が無ければかけられませんから、どうしてもベタな選曲になってしまいます。40年前つまり1982年は、ヒット曲中心で時代感覚を表現できますから、選曲も一瞬で決まってしまいました。
問題は1972年で、好きな曲が100曲以上はあるような年ですから、やはり選曲に苦労しています。しかも、「音楽が死んだ日」の特集でも、「グラムロック」の特集でも、そしてつい先般の「70sソウル」特集でも、1972年の美味しいあたりをかけてしまっているんです。必然的に捻りを加えた選曲にならざるを得ないわけで、結構悩ましいことになっております。
1時間番組を1年以上やっているということは、単純計算でも500曲以上は既にかけているわけで、特定の年代を特集しようとした場合に、そろそろ制約が出てくるわけです。それでも1972年は何回かに分けたいなと思うような時期ですから、現時点ではまだ問題ありませんけどね。ただ単に、拘りたいだけですね。
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