見出し画像

7インチ盤専門店雑記269「ライヴ盤の楽しみ方」

突然真夏のような気温になっておりまして、調子悪くていけません。コロナ前と比べても、体力衰えたなあと思うことしばし、こういう日は無理ができません。

最近常連さんと「●●●が来日する」「チケットを買うか?」「チケットが取れた」といった会話が増えてきて、コロナも収束に向かっているんだなとしみじみしております。…が、しかし、私は少し前からライヴはもう引退と言い始めておりまして、来日公演情報もそそられません。やはり体調万全でないと、ライヴなんか楽しめないです。

フェスの季節が近づいてきて、ラジオ番組でもライヴ盤の特集を企画しております。…まだ企画段階ですけどね。世の中には名盤と言われるライヴ盤が山ほどあるわけですが、これを1時間2時間といった限られた枠でご紹介するのは、なかなかヘヴィな作業です。世のアーティスト、総じてライヴになると長尺になる傾向にあります。そうすると、かけられる曲数は当然普段よりもかなり少ないことになるわけです。…名盤、いっぱいあるんですよ、ホント。

ディープ・パープルの「ライヴ・イン・ジャパン」は以前からリクエストを受けており、かけたいなと思いますが、全部長尺じゃないですか…。レッド・ツェッペリンも結構長いです。ビートルズはライヴで語ってもね…。ストーンズはいいのがありますな。しかも結構コンパクトにまとめてくれております。…こうでなくちゃね。

エアロスミスも、ギターが2人いるわりに、長い掛け合いとかやらないで、たたみかけてくるような勢いのある演奏を聴かせるタイプですから使えそうだな。南部的なものの対極ですね。まあ、オールマンをはじめとした南部の人たちは、本当に掛け合いがお好きでして、ジャムバンド的なライヴは南部が主戦場でしょうよ。しかも、いい感じで煽るというか、熱いライヴが夜な夜な繰り広げられているんだろうなと思わせます。YouTubeでちょっと検索すると、いろいろ出てきますからね。

今日は3本収録予定なのですが、うち1本が別の切り口で南部を逍遥しながら、いろいろ聴くことになります。そもそも、番組開始が10月だったこともあり、レイナード・スキナードの連中やデュアン・オールマンの命日が近かったわけで、早々にサザン・ロックの特集を2回にわけてやっております。そこで、南部に偏りすぎかという自制心が芽生えてしまい、南部の音源をかけることは控え気味になっておりました。…でも好きですからね。オールマンあたりを中心に語り倒すかと考えております。…と言っても、最近の若手の音源中心で行きたいとは思います。…ライヴ盤特集が控えておりますから。でもね、オールマンの「フィルモア・イースト」大好きなので、両方でかけちゃおーとか企んでます。

ちなみにヘッダー写真の「フィルモア・イースト」、今朝自宅から持ってきました。お店にもあったはずなんですけど、見当たりません。どなたかにお譲りしましたっけ?番組の企画を詰めてきていたので、まさか今更盤がないとか勘弁してよと思いつつ、さほど心配もしておりませんでしたけど…。盤質のチェックだけ、ちょいと気になりましたけどね。大丈夫そうです。

この辺がねぇ、曲が長いんですよ、ホント。ライヴ盤の楽しみ方って、原曲をどう料理するか、アレンジの妙を楽しむというのが一つ大きいと思います。おそらく、長いヤツって、多かれ少なかれ、そういうことを考えていると思うんです。その一方で、観客の盛り上がりや熱気を詰め込んだ、勢いのあるライヴ盤というのもあって、個人的にはこちらが好みです。現場では時間・空間を共有できた喜びのような、独特の空気感が渦巻いているように思うんです。それが上手く詰め込まれたライヴ盤ってあるんですよ、確かに。

ちなみにアナログ盤でライヴ録音を聴くとき、音の分離のよさという評価軸は無用です。音はダンゴになって塊で飛んでくるようなのが魅力です。あまりこういうことをおっしゃる方はいらっしゃいませんが、個人的にはライヴ音源とアナログは相性がいいと思っています。盤を裏返したり取りかえたりする手間が多い分、集中できないという方の方が圧倒的に多いのではないでしょうか。さらにちなみに、元々表裏一気に聴くことは稀な人間ですので、LPの片面、約20分にどう詰め込むかの妙みたいなことも楽しんでおります。

ライヴ盤の楽しみ方、実はいろいろあるのではないでしょうか…。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?