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清澄白河カフェのキッチンから見る風景alt011 : 嗚呼メンドクサイ

(以前に書いておいて、つまらないからお蔵入りかなと思っていた記事ですが、やっぱり公開しちゃいます。ま、たまにはこういう日もあるさということで…。)

以前は人生1000月と言われ、残りの月数を意識するように諭されました。83年3月よりは遙かに残り少なくなってきていることが感じられるからです。自分の場合は60歳、もう720月生きてきてしまったわけですね。それが今は人生100年時代、1200月と言い直してもいいですが、どうもぴんときませんね。平均寿命が88歳程度であるといわれても、最後の数年は寝たきりかもしれませんから、自分の意思で動き回り、楽しめる期間はもっと前に終了ブザーが鳴ってしまうと考えるべきでしょう。

自分のように体調が万全でなければ、さらに前倒しして考えておかなければいけないわけです。突然の終了宣告は周囲にも迷惑がかかりますし、そうなる前に準備できることはしておきたいと思います。これまでもさんざん迷惑をかけてきたカミサンに、さらなる迷惑をかけるのも気が引けますからね。

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カフェにいらっしゃる方の中に、時々現役時代の感覚が抜けず、つまらない老後を過ごされているのではという方がいらっしゃいます。おそらく現役時代はお偉いさんだったのかなという空気を纏い、友だちはいない(少ない)というのが見てとれます。カフェのオーナー相手にいちいち身構えて話すところを見ると、少しは自覚もあるようで、何度か痛い目にもあっているのかもしれません。所詮組織の中の役職なんぞロールプレイですからね。

趣味の世界は上も下もなくて、どれだけ好きかを語れればそれで楽しめるはずですが、そう簡単にはいかないのでしょうか。特に音楽は扱いやすい趣味だとは思います。基本的に好きな音楽を聴いていれば成り立つものですから。それこそ好きな作家の本でも読みながら、好きな音楽を聴くなどというのは最高の時間の過ごし方でしょうに。

ご自分の好きなアーティストについて語るときに、「あなたは若いから知らないでしょうけど」という、枕詞にもならない決まり文句が付く方もいらっしゃいます。マウンティングって言うんですかね?いちいち自分は詳しいんだぞと言いたげな物言いの方もいらっしゃるんです。そうなると会話は弾みませんやね。私の場合、好きなものはとことん聴いているし、好きでなければ、有名なアーティストでも全然聴いてませんから、「はあ、そうですか、お詳しいですね」と返せばそこで会話が終わってしまいます。

やはり、そういう意味でも、ブログやらnoteというのは、やっておくべきなのかもしれません。特別語らなくても、一定のアウトプットをしていることで、分かってもらえます。少なくとも分かってもらい易くなります。もちろん自分の無知をさらけ出してしまう場合だってあります。それでもいいではないですか。まっとうに評価してもらえれば話は弾みます。…でもないか。

ふぅ~、なんと申しましょうかねぇ…。

メンドウなお客様っているんですよ。わたしゃジャズも聴きますけど、もう人生の残り時間が少なくなってきたから、自分が聴いて育ってきた好きなポップスやロックを聴いていたいの。ここ数年は真剣勝負みたいなジャズって気分じゃないんですよ…。

まあ、マイルスやらコルトレーンやらはいつでもそれなりに受け答えもできますよ。でも、全く興味のないキャノンボールだのデーブ・ブルーベックだのバド・シャンクだの言われてもねぇ…。ヴォーカルも「聴かない」と言っているのに、ペギー・リーやらクリス・コナーがどうのって…興味ありませんって。…話が弾まなくて申し訳ありませんね。

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思い切り楽しんでいらしたロリンズの話題も、「イースト・ブロードウェイ・ランダウン」が好きと言ったあたりで表情が曇り、「ウチは7インチ盤専門店ですから…」と「アルフィー」の話題になったあたりで、黙りこんでしまうんだから。そもそも趣味が完全一致する人間なんていねーし。興味ある範囲が普通と違っていて問題ありますかね…。

もうかなりのお歳なんだろうから、出歩いてないで、ご自宅の愛機でお好きなレコードをお聴きなさいって。いちいちお店のオーディオセットにケチつけなくていいからさ。そもそもアナログ・レコードをかけているからジャズ喫茶だと思う短絡さはまずいですって。今はヒップホップ系のいいお店だってアナログでブンブン鳴らしてますから。アナログでロックやポップスだって、絶対にありだと思いますよ。放っといてもらえませんかね…。

嗚呼、もう気分はドン・コルレオーネ…。

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