『ばあ様が倒れた日』の神秘体験
ばあ様が突然、ドスン、と玄関先で倒れた。年の瀬も押し迫った寒い日の夕暮れだった。
救急車で救急病院に搬送された後、一定の処置を終え、容体急変時はまた救急車を呼ぶようにとのことで、一旦、翌日入院の準備のため帰宅した。
その日の深夜、ばあ様の寝顔がかつて見たことのない、血の気の引いた死人のような顔色だった。
医師から聞いた時の記憶では、重度の血圧低下と脈拍数40前後まで落ちていたのだ。
僕の心は不安の嵐であふれかえっていた。どうか死なないでほしい。死なないでくれ、死なないでくれと。
どうかばあ様を助けてください、僕の愛する仏さまお釈迦様ぁ~
全身全霊で祈った。祈り続けた。
もし可能ならば、僕の残りの寿命からでもばあ様に差し上げたい。
一心に久遠のお釈迦様に念じ念じ、念じ続けた。
と、その瞬間、
まったく会話すらできなかった仰向け寝で瀕死のばあ様が、突然目を開き、こうつぶやいた。
「いま、薬を飲ませてくれた」と、
あまりにも突然のことで、びっくり仰天の僕は、え、何言ってんの。二人きりだよ。誰が?え、え、え、ばあ様に問いかけると、
ばあ様は、「どなたか分からない」という。僕は大声で叫んでしまった。
「仏さまだー」と叫んでしまったのだ。
どうかお釈迦様こたえてください。あの時のお方はあなた様だったんですよね?それとも違うお方だったんですか?
だって、僕はほかのどなたでもなく、あなた様に一心に望みを託したんですから。
僕は今でも、あの時の不思議な体験を忘れません。決して忘れません。
ばあ様は、今現在も心臓ペースメーカのお世話になりつつも、お陰様で
96才を迎えています。
お釈迦様、有難うございます 本当に有難うございます。過去も現在も未来も有難うございます。
僕は、お釈迦様を愛してます。心の底から愛してます。合掌
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?