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モユ王は窮地に立たされていた。隣国の侵攻が止まらず、国の存亡が危ぶまれる日々。国民たち…
「この戦争の勝者が宇宙の覇者になれると言っても過言ではない。心してかかれ!」 隊長が無…
この頃、売り上げが伸びておらず、メガネ屋の店主は頭を悩ませていた。理由は半年前、向かい…
「次はなんだっけ?」 「次がもう最後よ」 「最後。あぁ、そうか……」 ふたりの男女は宇…
「スイマセン。ミズ、ナニトコウカンスルカ?」 夏の太陽がギラギラと照りつける暑い日。外…
締め切り当日。小説家の男は今日が期限だというのに、原稿が仕上がらず、頭を抱えていた。 …
趣味がない。というのは多くの人が抱える悩みのひとつだ。昔の人からすれば贅沢な話だろうが、現代はできることの選択肢がありすぎる。選べるというのは、悩むということとほぼ同義で、つまり自由主義が生み出してしまったストレスということだ。 かくいうわたしも、趣味が見つからず休日を持て余している多くの現代人の仲間である。だから先日、友人が教えてくれたサイトに登録してみた。それは「趣味提案」というやつで、自分の情報をいくらか入力すると、この世ありとあらゆるものの中から、わたしに適した
朝。目覚まし時計の鳴る音で私は目が覚めた。と同時に、頭の中のチップが作用し、曲がかかる…
暗闇の中、私は考えた。何はともあれ、いま私はどこか深くへ落ちている。誰に何をされたのか…
その惑星には、心優しい人しかいませんでした。 困っている人を見かけたら声をかけ、なん…
ヒトミ・シーリさんは極度の人間嫌いで有名な小説家です。できるだけ人に会わないように山奥…
宇宙連合より指令を受け、サイトウ星人たちの乗ったロケットは宇宙の旅を続けている。今回、…
小学生の頃、クラスで将来の夢を発表する授業があった。サッカー選手だとか、アナウンサーだ…
「歴史にもしもはない、って言うよね」 とあなたは言った。 いつものことだけど、わたしは少しさみしくなる。あなたが知っているたくさんのことを、わたしは知らないから。その言葉も知らないけど、わたしはいつものようにうなずく。 「もしもあの時こうだったら、歴史は確実に変わっていた、今こうなってはいない。自分は生まれてないかもしれない。そんなことはたくさんあるよね。でもさ、そんなこと言っても仕方がない」 わたしはこんなとき、頭をフル回転させて話についていく。そうしている自分が