生きづらさの紐とき 第10考 「きもちのいい言葉づかい」
疑問に感じた時に「は?」っていう言葉遣いをすることがあるけれど、これは、ただの疑問なんじゃなくて、相手に対して反発的な意味が裏にある。
「は?」とは、
「は?なんで?」ってことであり、
「は?なんで?なに言ってんの?」ってことであり、
「は?なんで?なに言ってんの?意味わからないんやけど、何がいいたいの?」
ってことだ。
「今の状況や話の流れに対して、相手の言ってることが理解できなかったり、ズレていると感じた時に出るフレーズ」が、「は?」である。
同じような意味の言葉づかいに「〜ですけど?」というのがある。これも、相手を導いているようで小馬鹿にしているニュアンスが含まれる。
この言葉づかい、ボクはほんとうに苦手なんだけど、もう若い人たちの間では普通に使われてるし、ドラマのセリフでもよく使われているよね。
小さい子たちもよく「は?」「はぁーっ?」って言ってて、本人たちが思っていなかったとしても、感じ取る側として相手を揶揄してるニュアンスがどうしても抜けない。
ぼくがこれを苦手なのは、個人の感情的で、結果を待てずにすぐ否定から入ってしまう人のクセのように感じているからなんだ。
相手の返答や提案に対して、違うと感じた瞬間に否定したい。
説明を待てない。自分で少し考えればわかることかもしれないのに。「は?」ってまず否定したい。自分の考えてた答えや流れとちがうから。
でもそのときに、わざわざ揶揄する必要もないはず。自分が説明不足だった可能性は十分にある。
なんか違うな、というニュアンスで口から出るとしても「ん?」とか「えっ」っていう感嘆詞じゃだめなのかな。
他にも「なんで?」ってきくのは疑問じゃなくて不満込みの場合もあるから、「どうして?」って聞いた方が少しきもちいい。
「は?」とか「はぁ?」ってのは、攻撃的に聴こえて、すごく聞いててしんどくなるんだけども、もう僕が古いのかなぁとも思う。
昔、ウッチャンナンチャンの番組で、ナンちゃんが腹たった時の「ムカつく」という言葉を流行らせたんだけど、それもすごくしんどかったんだよ。
ムカつくっていうのは、ムカムカする。つまり腹が煮えくり返ってるくらい腹がたつって事だけども、それが日常会話になってしまった。
ぼくは当時、小学校の6年生くらいだったけど、クラスのみんなが「ムカつく」を使い出して、すごく毎日しんどかった。
言葉の乱れっていうのは、いつの時代もあると思うし、流行りが過ぎればそのうち使われなくなると解ってはいるけれど、例えば「エモい」とか「チャラい」とか「キモかわいい」とか、それまで表現できなかったニュアンスを表す言葉は肯定的に思うし、使われる過程で意味がエンタメ的に変質したり、やや肯定的なニュアンスになっていくものもあると思う。
では、こういう「は?」とか「〜ですけど?」みたいなのは何かと考えた時、新しいニュアンスというよりは「言葉のもつニュアンスに鈍感になって使っている」って思う。
本来の意味で相手を揶揄したり、小馬鹿にしたり、自分の感情だけで不満をぶつけたりする言葉づかいが、その意味に対して鈍感で、否定的な言動でコミュニケーションすることが平気になってる人が増えたんだろうと思う。
そんなこといちいち気にするなという意見もあるだろうし、これは自分や、言葉や語気に敏感な人たちの所感でしかないのかもしれないけど、
これは「いきづらさ」と無関係であるとは思えないので書いている。
でも、それに文句を言っても始まらないし、否定的なものだからってそれを否定するのも無限回廊だなと思うので
「きもちいい言い方辞典」みたいなのをつくればいいのかな、と考えた次第である。
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