神崎洋治「人工知能解体新書」書籍紹介


人工知能って何だろう、と興味を持ち始めた層においては、ちょうどいい軽めの読み物ではなかろうか。

前半では、人工知能の基本的な仕組みを概説している。非常に簡略化され、基本的な論理性とプログラミングによる仕組みのおおざっぱな知見を備えておけば、難なく読み解ける内容であろう。

後半では、実際に市場に供給されている人工知能プログラムや既存のシステムに組み込むためのシステムを、会社の名前やブランド名までを列挙して解説している。この後半部分に関しては、1年としないうちに内容が大きく変わるであろう。また、この後半部分では、具体的なメーカーやブランド名、配布パッケージの名前までを列挙し、その具体的な特徴と応用例までをも開設している。今すぐに自社のシステムに人工知能を搭載した解析メカニズムを取り込みたいと思っている技術者においては、非常に実務的な指南書の一冊目として相応しいのかもしれない。


「解体新書」と銘打ってはいるが、かつて杉田玄白がしるしたような基礎的かつ広範な書ではなく、「今」の状態と現在配布されているパッケージを解体・開設した書であり、解体新書という書名には、いささか誇張の雰囲気を感じずにはいられない。


通勤途中にさくっと。これくらいの読み方をする一冊としては、大いに推薦できる一冊である。


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