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CAあるある、モデルごっこ


CAになって、初めてのステイ先はシドニーだった。

トレーニングバッジが取れた状態での初めてのフライト。
右も左も分からない私にフライト中ものすごく優しくしてくれたクルーのみんなと一緒にシドニーでお出かけすることに。

ここで私がCAになって最初にびっくりしたことが発生する。

突如始まる、モデルごっこ。

歩いていたら要所要所で撮影会が勃発する。
1つのスポットで毎回何十枚もお互いを撮り合うのだが、はいチーズ!とかじゃない。ピースしてる人なんかいない。

もう、それはそれは、各々がバラエティ豊かなモデルのポージングをする。

髪をかき上げたり、顔周りで手のポジションを色々と変えたり、カメラに横顔を向けて黄昏たり、目線を変えて手を動かしたり。

有名なランドマークの前では当たり前だが、なんっの変哲もないベンチとかでも急にモデル大会が始まる。

え、普通に生きててポージング学ぶ機会なんかあった?

こんな常識が存在してるなら、モデル風ポージングの授業トレーニングに組み込んでくれよとわりと本気で思った。

ど新人の私は撮影会が始まるたび、言われるがままにお撮りしたものの、

次撮ってあげる!そこ立って!って言われておびただしい連写をされてもどないしたらええのか分からない。

私もモデルごっこ真似してみる?
でも頭に手あてたところで絶対かゆいやつにしか見えへんし、私が口周りに手を持って行ったところでアクシデントで髪食うた?ってなるだけや。
見様見真似で顔の角度色々変えたところで確実に二重顎が爆誕しておわる。

その結果、全ての写真、ほぼこれ。

どーーーーーーーん。

写真を撮ること自体はもちろんわかる。半目とか顔面コンディション的に保険を掛けて、同じ場所で数枚撮るのも分かる。

けどオペラハウス前でどーーーーんってしてる写真、38枚もほんまにいらん。連写せんと死ぬんか。


私の顔面がヴァネッサハジェンズならいくらでもやる。どんなポーズでもとるし、なんなら写真集出してほしい。

北川景子の顔を持ってたら、1スポットにつき150枚くらいは撮ってほしい。

しかし私は北川景子じゃない。

そしてあなたも北川景子ではない。ってうクソ失礼なことを、私は撮りながら思ってしまっていた。

自分の芋さ加減にカルチャーショックを受けるとともに、自分のペースで思うがままに観光するのが私には向いてると学んだ初ステイでした。


ただこの時、唯一私でもいい感じな写真が撮れそうなポージングがあった。

男性クルーも手持ちのポーズいっぱいでびっくりした。

後ろ姿やったらいい感じに撮れそう。
これならいける。




... 異国でパスポートと財布すられたんか?


モデル、向いてなかった。

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