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愛してる

登場人物

シェリフ(夜月(ないと))
人体実験によって人工の海洋生物の獣人になった旧式の能力者の青年  弟 来兎(らいと)を守るために自ら犠牲になった双子の兄  常に薄着だが見える箇所に炎症後色素沈着がいくつかある


来兎(らいと)
一時期兄の記憶を失っていたがそれを取り戻し兄を探してシェリフの住まう街に来た  兄と瓜二つだが名前の違うシェリフに困惑している  旧式の能力者で海洋生物と心を通わせている


今から5億万年程前  「人類」、「動物」、「魚類」、「哺乳類」以外にも「人魚」、「獣人」がいるのが発見され、人々は共存をしてきた


そんな中でとある非人道的研究所が摘発された


その研究所では能力者を使った様々な人体実験を行い「人工獣人」を研究していた


その研究所の記録から人体実験によって命を落とした能力者の数は5800万人を超え、人工獣人に成功した例はたった1人だったが、その青年は自力でその研究所から命からがら逃げ延びていた


どこにいるのかも分からずなんの獣人になったのかさえ不明のままその事件は幕を下ろした


同時期  とある田舎の海辺の街に1匹の傷跡だらけのシャチが現れるようになった


そのシャチは最初こそ街人を困惑させたが漁に影響が出る様なことはせず、むしろ悪人退治や漁の補助をしてくれるなど街人にとってはありがたい行動をとり、いつしか「シェリフ」という名で呼ばれるようになった


そして月に1度3日間だけ姿を表さぬ日があり、その3日間だけ街に現れる、色白で体に見える場所に痛々しい炎症後色素沈着のある傷跡を持つ青年がいた


その青年はシャチと同じ「シェリフ」という名だそうで、街人達からは「不思議な人」として認識されている


魚の生体に詳しく獣人と人魚の違いにも詳しくて物払いも良い、しかし出身地や名前の由来、年齢は謎でシャチのいない3日間が終われば彼も現れない


海を見つめる彼の瞳はどこか儚げで寂しそう………黒髪と白髪の入り交じる彼は一体何者なのか………何故シャチは1匹でこの街に来たのか………


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