正体
彼女は泣き笑いをしながら
「愛しい人よ………どうか忘れないで」と言いながら海に身を投げた
俺は動くことが出来なかった………
その場所の海は常に荒れていて遺体は発見できず捜索も途中で打ち切りになった
………俺は過去に囚われ抜け出せないまま生き続ける………
愛した人が生きていることは手紙で知っている
けれど会うことは出来ないだろう………
彼女は彼女の愛した人と共にいるのだろう………
俺なんかを忘れて………
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