見出し画像

コミュニティマネージャーがいなくても成り立つ、シェアオフィスのコミュニティを大解剖!③最終回

G Innovation Hub Yokohama(以下G)は、コミュニティマネージャーがいないシェアオフィスです。それでも、日常的に入居者同士が交流する仕組みがあり、自然と新たなビジネスが生まれています。その根幹にあるのは、お互いを尊重する思いと信頼です。今回は職業も世代も違う、ラージンガーマルセルさん(以下マルセル)、梨子木凌さん(以下梨子木)、占い師の葵レオラさん(以下葵)の3人に、スタッフ小室真知子が、Gでの過ごし方や入居者同志のつながり、コミュニティについて思っていることなどを聞きました。前回の内容はこちら。

コミュニティがGの枠を超えた、まさに「関内で働く」

ラージンガーマルセルさん。アドバンテージオーストリア(在日オーストリア大使館商務部)勤務時代に培ったEU諸国とのネットワークを生かし、日本とEUの企業をつなぐ架け橋として事業を展開。

マルセル:僕は関内のさくらWORKSで仕事をしている人たちと仲良くなって「関内で何かできないか」という話から、去年「英語バー」を立ち上げたんですよ。夜6時から英語でゆるく会話をするような場でしたが、先日「横浜ギャザリング」という名前にしてグローバルにビジネスを展開している起業家が登壇して話す形に変えました。グローバルなビジネスが身近になればいいなって思って。
初回は自分ともう一人が話したんですけど、その日は6人くらいしか集まらなかったんですよ。でもそれをブログとかに残して、来られなかった人が後からでも見返せるように情報として蓄積していけばいいかなって。今後は月1、2回やっていきたいと思っているので、Gの入居者も話してもらいたいな。

小室:外に出て関内にネットワークを広げているんですよね。私たちスタッフは、Gだけでなく、関内で働くをことを楽しんでもらいたいと思っているので、とても嬉しいです。梨子木さんは「英語バー」に参加していましたよね?何がきっかけでしたか?

梨子木:僕はGのslackで見て。英語に興味はあるけど話せなくて、でも最近仕事で使うことがあるので、きっかけがほしいと思って参加しました。

マルセル:横浜ギャザリングは英語よりは起業とかビジネスという方向に重心を置くようにしました。起業家って自分からアクションを起こすし、面白いじゃないですか。それを発信する方が、自分たちが作りたいコミュニティになるかなと思って。

1on1、展示会、文化祭…コミュニケーションを深めるのは交流会だけじゃなくてもいい

小室:こんなイベントをGでやってほしいとか、梨子木さんからも何かありますか?

梨子木凌さん。メーカーの技術職を経て、フリーランスに。グラフィックデザインや新規事業のプロジェクトマネージャーを得意とする。現在は、個別野球指導塾、パーソナルトレーニングジムの運営にコミット。

梨子木:今の話を聞いて、それぞれどんな仕事をしているのかというのは僕ももう少し知りたいなと思いましたね。例えば1on1とかができればいいな。

小室:1on1は考えたことなかった。おもしろいかも。

:私もこの間システムエンジニアの入居者と3人で話していた時に占いのアプリは成り立つのかみたいな話で盛り上がったんですよ。でもそういう話をするきっかけってなかなかないから、じっくり話す機会があればいいですよね。彼らは占いのアプリに興味があったみたいなんですけど、わざわざ私のところに聞きに来るほどのことでもないでしょ。だからランチしながら、自然な会話の中で生まれるといいですよね。私が自分の業界だけでいたら、占いの世界しかないけど、そうじゃない人たちが私の思いとかを知ってくれる場があれば楽しそうだと思いますね。マルセルさんも梨子木さんも、占いを受けてくれましたね。

小室:占いとシステムエンジニアって、普段だと交わらないジャンルだからおもしろい。確かにGって気軽に集えるコミュニティはあるけど、入居者同志が1対1で話す機会っていうのはあまりないかもしれない。

マルセル:例えば30社程度が出展する展示会とかよく開催されているけれど、そんな感じでGのなかで、今月はこの部屋の人が出展みたいな感じで何かできないかな。それか無理のない範囲で、この月はこのエリアの人が企画するみたいなイベントもいいかもしれない。

小室:前にもGのなかで、文化祭のような感じでやったら面白いよねという話はありました。

梨子木:リビングスペースでポップアップみたいなスペースを作るのもいいですね。

マルセル:あと、この間小室さんと、Gと同じビルに入っている会社ってどんなビジネスをしているのかなっていう話をして、そこをつながることでも結構需要がありそうだなと思っていたら、早速交流イベントを開いてくれて。

小室:そうなんです。このビル自体70社近く入居しているんですけど、何をしている会社かもわからないし、ビルのテナントさんもGのことをよくわかってないかと思って。それで気軽にGに来られる機会を作ればお互いに知ることができるんじゃないかと、ランチタイムにパン屋さんを呼んだんです。そしたら盛況でいろんなテナントさんが来てくれて。弁護士事務所の方をお話ししたら、初回30分無料相談というのをやっていると教えてくれて、Gには弁護士さんがいないし、何かあったら相談できるじゃんって。やっぱりお互いを知るって大切だなと思いました。

マルセル:「あったらいいよね」で終わらせずに行動に移してくれるのがGのスタッフの好きなところですね。行動するっていうのはすごく大事だと思う。

目指すのは信頼のあるコミュニティ。思いに共感できる外部の施設や人との連携も積極的に

占い鑑定士の葵レオラさん。 前職は占いにはまったく興味がないIT技術者。 それが、占いの魅力にハマり、 2019年にプロデビュー。鑑定件数は4年で6000件に。

:Gのスタッフとしては、ここがどういう場になってくれると嬉しいですか?

小室:Gは入居者数とスタッフの数のバランスが良く、人と人の距離が比較的近い関内エリアだからこの質が保たれているんじゃないかって思っています。だから、規模を拡大したり、別の場所で展開をしたとしても、この雰囲気をそのまま作るのは難しいかなと。接客マニュアルもないので、全く同じようなものを作るのはできないかなと。

マルセル:マニュアルを作ることもないと思う。Gはスタンスが合っているシェアオフィスとつながりがあるし、そういうところと協力してできたらいいよね。

小室:仙台の「enspace」だったり小田原の「ARUYO ODAWARA」も、地元の人とともに活動したり、街の資産をいかし、地域と繋がっていたりと、Gと結構似ているんですけど、そういう入居者さんや施設の雰囲気が似ているようなところと連携して、入居者がGの中だけじゃなくて、いろんな施設の人とつながる事例を増やすというのが目標ですね。

マルセル:自分は海外から来てビジネスやっているからすごく思うけど、やっぱり信頼のベースがないとビジネスはできないんですよ。信頼のベースを構築するのは実績や誰と仕事したってこと。それがGに入っている人とGのパートナーシェアオフィスに入っている人は信頼できるっていう風に構築できたら次の価値を提供できるし、その中で「AさんとBさんが組んでこれができました」っていうストーリーも生まれたら面白いと思う。
     
:そういうコミュニティに行ったら何かあるかもしれないって、私はGに来て思うようになったんですよ。占いの館に居続けたら見えなかったものがいっぱいあるし。占いって閉塞的で、嫌がられるようなこともあるんですけど、私はそれを変えたいんです。業界あるあるみたいなものを何か1個変えると最後にもっといいものができてくるんじゃないかって思っていて。

小室:シェアオフィスに占い師さんがいるというと、見学来た方みなさん驚きます。私も反応がおもしろくて、ついつい話しています。
noteで関内のいろんな方をインタビューさせてもらっていますが、皆さんお話しされるのが、コロナ禍ではオンラインが主流だったから、コミュニティを拡大しようという動きが盛んだったけれど、拡大したその先が見えずらかったというか。今はその反動なのか、信頼あるコミュニティをつくることの方が大事で、信頼が担保されているコミュニティ同士を繋げることで拡大されていく感じになるのかなと。なので、私たちもコミュニティの質を保ちながら、関内や他のエリアでの輪を広げて行けたらと思っています。
≪終わり≫

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?