物理学者の絶望と未来ー『世界史の構造的理解』(長沼伸一郎・著)を読んでの感想
私は普段は前向きに研究をしているつもりだが,2年に一度ほど深刻な虚無感に襲われることがある.自分は何のために学問をしているのか,何か明確な目的があったところで自分程度の能力で解決できる問題など存在するのか,といった考えてもどうしようもない問題ばかりが頭を巡り,生産的な行動が取れなくなってしまう.いや実際には3カ月に一回くらいこういう絶望感に見舞われるのだが,目の前の雑事をこなすことで気を紛らわせているのかもしれない.今回は,論文を書き終えて一息ついた瞬間だったため,お盆休みが