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フランス旅行の最後に妻と喧嘩したお話

フランス旅行最終日の前日。明日で帰国するという日の夜、二人で晩御飯をどこで食べるか相談していたんですよ。

実は、妻と私は今別々に暮らしていまして、妻は日本で、私は海外で暮らしています。私が住んでいる国は、少し危険で、日々緊張感があって、日本人があまり近寄りたくない国ということで、今は別居生活をしています。

本来であれば、妻は私が今住んでいる国、ここではA国としましょう、そのA国に一緒に赴任して駐在妻をやりたいそうなんですが、色々なA国の事情から妻は来たくてもこれません。

長期休みがあれば私は日本に帰ります。私にとっては日本に帰ることが非日常であり、休暇を楽しめるのですが、もちろん妻はそうではありません。

妻は、日本で子どもの世話をしながら日々の生活を乗り越えてくれています。そんな妻が、私も海外に行きたい、と申されまして、A国に来ることもいかず、それならば第三国で合流して旅行しようということになりまして、旅行先はパリが良い、と妻がお決めになったのでした。

そのような経緯から今回のフランス・パリ旅行が決定しました。

そしていきなり最終日前日の話で恐縮ですが、明日フライトという日を翌日に控えた夜、事件は起きました。

フランス旅行最後の夕食で何を食べるか相談した我々の意見は綺麗に分かれたのです。

どうしても最後に行ってみたいフランス料理屋がある妻と、日頃食べられない日本食が食べたい私。

フランスにまできて日本食かよ、と思われた方いるかもしれませんが、逆なんです、フランスだからこそ日本食なのです。

普段私が住んでいるA国のA市には、日本人が経営する日本食レストランはありません。現地の人が作る日本食レストランはありますが、お寿司にチーズ入っていたり、ラーメンのスープがイマイチでさらにぬるかったり。それはそれで”味”があるのですが、日本人としては物足りない。それならば日本に帰って食べればいいのですが、日本に帰るには航空券も高いし(切実)、頻繁に帰れません(本当は帰りたい)。私みたいな海外日本料理難民にとって、先進国の日本料理屋さんで日本人が作る日本食を食べる機会は、文字通り、貴重なのです。

うどんが一杯20ユーロ(約3000円くらい)は嫌だ?ここでは値段は問題ではないのです。今海外に住んでいればそれくらいもう慣れっこです(痩せ我慢)。A国だって同じくらいの物価高なので気にしません(痩せ我慢)。ただ私は、日本料理が食べたいんです。

パリには多くの日本食レストランがあるのです。特にオペラ座の周辺には懐石料理屋からラーメン、うどん屋さんまで色々な日本食レストランがあります。

どれでもいいんです。どれでもいいので、そのうちのどこか1箇所で日本食を食べたかったのです。

一方、妻のお気持ちとしては、もちろん、フランスにまで来て高いお金出してうどんもお寿司も食べたくはありません。我々は、フランスはパリに来ているんです。

妻はフランス旅行に来るにあたり行ってみたいレストランをピックアップしており、最後の夕食の機会でそのうちの一つに行ってみたかったのでした。

そのレストランがこちらです。
Bouillon CHARTIERさん。

結論を申します。もちろん、こちらにお邪魔させていただきました。Bouillon CHARTIERさん。高級レストランの類ではなくて、大衆レストラン的な感じ。ちょうどお客さんの切れ目で並ばずに入店できたのですが、お店を出る頃には、30人以上の長い行列が。店内も大変賑わっていました。噂に聞く人気店。堪能してきました。

フランスはどこに行っても、テーブルワインが安いのに美味しくて。こちらでも、ワイン片手に、エスカルゴ、アボカドのサラダ、お魚料理といただいてきました。妻もニッコリで私もニッコリです。

これで事件は解決です。妻が満足なら、私も満足。真実はいつも一つです。

最後に自分の反省としての一文を。今回夕食を決めるにあたり、私たち夫婦としては珍しく険悪なムードになったのですが、その理由が、私が疲れていたからでした。疲れると相手のお気持ちを包み込める余裕がなくなってしまいます。笑顔も維持しにくくなります。ユーモアをユーモアとして受け止めにくくもなります。不細工短足男が妻を振り向かせ続ける唯一の方法は、性格イケメンになることただそれ一つです。性格イケメンとはすなわち、精神的余裕と気遣いだと思います。そして、何より大事なのがそれを維持し続ける体力だということをこの旅で認識いたしました。体力こそが不細工短足男の唯一の武器であるということを反省のまとめとして、フランスパリ旅行を締めたいと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました。ちょっとでもいいな・面白いなと感じられましたらハートマーク押していただけると嬉しいです。


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