岸田文雄 内閣が、臨時国会で売国法案「PFI法改正案」を提出。対象の公共施設を拡大。コンセッション方式の実施方針を事業期間中に変更可能へ。

 2022年10月14日、岸田文雄 内閣は、第210回 国会(臨時国会)に於いて、「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(通称: PFI法改正案)を提出した。

 法案には、PFI事業の対象となる公共施設等を拡大し、スポーツ施設集会施設追記することや、「コンセッション方式」の実施方針を事業期間中に変更できる手続を創設すること等が書かれている。

 「PFI(Private Finance Inititative)」とは、民営化の一種であり、「コンセッション方式」は「PFI」の一類型である。
 「PFI」の先進国である英国では、2018年頃から「PFI」からの撤退が始まった。

 2018年1月18日、英国会計検査院 が公表した報告書「PFI and PF2」には、下記のような内容が書かれている。

PFIが公的な財政にプラスであるという証拠は乏しい
・ 総じて公的に資金調達されたプロジェクトよりPFIスキームは高くつく
・ 学校建設の分析では政府が直接ファイナンスするよりも40%割高
・ PFIでは、公共による資金調達よりも2から4%(一部では5%も)資金調達コストが高く、さらに多額の付加的な費用資金調達のアレンジメント・フィーが元本の1%程度、マネージメント・フィーが事業総額の1~2%程度など。)がかかる
・ 公共部門にとっては、25年から30年という長期スパンでは費用がかさむとしても、短期又は中期的(5年程度)で見ると負債を圧縮できるので魅力的である。このため公共部門の意思決定がPFIに好意的になり、PFI事業を進めるために、VFM(Value for Money)評価が甘くなる
・ 英国財務省はPFIのメリットとして、事業リスクを民間に移転できること、長期的なランニングコストが軽減されること、を挙げていた。しかし、実際にはこれらは概ね実現されず、PFI事業は開始時には予見していなかったコストをカバーするために高くついた
英国でのPFIのピークは金融危機直前の2007年から2008年(86億ポンド)であり、その後急速に減少。現在では1990年初頭(PFIが始まった頃)よりも案件の額が少ない

 2018年10月29日、英国のフィリップ・ハモンド財務大臣は、「今後新規のPFI事業は行わない」と宣言した。

 2021年5月14日、日本の会計検査院が、報告書「国が実施するPFI事業について」』の中で、国のPFI事業に於いて不適切業務があった点と、PFI方式と従来方式での維持管理費を比較したところ、PFI方式は従来方式よりも1.06~2.85倍高額だった点を指摘した。

 これまで、日本国政府、自民党、民主党は、「PFIは英国では成功している」という前提の下、PFIを推進してきたが、今や、その前提は崩れている。


 このまま、国民が黙っていれば、公共施設や社会資本(インフラ)へのPFI方式、コンセッション方式の導入は激増するし、PFI法改正案がすんなり成立した場合、競技場、体育館、公民館等が民間企業の利潤追求の道具として利用され、コンセッション方式が導入された公共施設等の事業期間中にSPC(特別目的会社)の利潤追求の為に実施方針が変更されるということが起こる。

 売国法案「PFI法改正案」を提出した岸田文雄 内閣は退陣させ、法案を廃案にすべきであるし、「デジタル田園都市国家構想実現会議」の構成員である 竹中平蔵野田由美子(ヴェオリア・ジャパン(株) 代表取締役 会長)を辞職させるべきである。

 もし、PFI法改正案が成立してしまった場合は、2023年4月に行われる統一地方選挙で、自民党、公明党、日本維新の会の立候補者を徹底的に落選させることが、PFI導入を阻止することに繋がる。


■ 第210回 臨時国会 PFI法改正案

[ web ] https://www.cao.go.jp/houan/210/
[ 概要 ] https://www.cao.go.jp/houan/pdf/210/210gaiyou.pdf
[
要鋼 ] https://www.cao.go.jp/houan/pdf/210/210youkou.pdf
[
法律案及び理由 ] https://www.cao.go.jp/houan/pdf/210/210anbun.pdf
[ 新旧対照表 ] https://www.cao.go.jp/houan/pdf/210/210shinkyu.pdf
[ 参照条文 ] https://www.cao.go.jp/houan/pdf/210/210sansho.pdf

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民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(PFI法)の一部を改正する法律案の概要
※PFI: 民間の資金やノウハウ等を活用して公共施設等の整備や運営等を行うこと

[ 趣旨 ]
○ 公共の施設とサービスに民間の資金と創意工夫を最大限活用するPFIは、「新しい資本主義」における新たな官民連携の柱として、地方創生やデジタル田園都市国家構想の実現に大いに寄与するもの。

○ 特に、地域づくりの核となるスポーツ施設や身近な拠点となる集会施設など活用対象を拡大するとともに、特に地方部への金融等専門的ノウハウの浸透を図り、小規模自治体など全国各地で幅広く自律的に展開されることが求められる。

○ あわせて、公共施設等運営事業コンセッション)については、長期にわたる事業期間中の技術革新や事情変更等を踏まえて、柔軟に対応できるようにすることで、より効果的・効率的に事業展開が図られる。

○ このため、関係者のニーズに的確に対応し、PFI事業の一層の促進を図る観点から、以下の措置を講ずることとする。

[ 概要 ]
PFI事業の対象となる公共施設等の拡大
 PFI事業の対象となる公共施設等の定義にスポーツ施設及び集会施設追記する

公共施設等運営事業に関する実施方針の変更手続の創設
 事業期間中の事情変更等を踏まえた、施設の改修工事が柔軟に実施できるよう、実施方針で定めた公共施設等運営事業に係る施設の規模や配置の変更を可能とする

③ 株式会社 民間資金等活用事業推進機構(PFI推進機構)の業務の追加及び保有株式等の処分期限の延長
 PFI推進機構の業務に、事業を支援する民間事業者(地方銀行など)に対する助言や専門家派遣等を追加するとともに、PFI推進機構の保有する株式や債権などの処分期限を5年(令和15年3月31日までに)延長する。
※施行期日:①公布の日 ②公布後6月以内 ③公布後1月 (※延長部分は公布の日)

[ 目標(「PPP/PFI推進アクションプラン」において規定) ]
○事業規模:令和4年度~令和13年度の10年間30兆円
※契約締結した事業から見込まれる民間事業者の契約期間中の総収入

■ 第210回 臨時国会 PFI法改正案 議案情報(参議院)
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/210/meisai/m210080210009.htm

■ 「官民運営の施設、増改築しやすく 政府、PFI法改正へ」(日本経済新聞 / 2022年10月14日)
[ web ] https://www.nikkei.com/article/DGKKZO65124570T11C22A0EP0000/
[ 記事画像 ] https://twitter.com/osanpogo5/status/1580896503148687360

■ 「政府/PFI法改正案、コンセッションで施設増設や配置変更可能に」(日刊建設工業新聞 / 2022年10月14日)
https://www.decn.co.jp/?p=146947

■ 「【記者座談会】GX実現へGGX開催/臨時国会が開会」(建設通信新聞 / 2022年10月14日)
https://www.kensetsunews.com/web-kan/746356

■ 「今更PFIを推進する岸田政権」(チャンネル桜 室伏謙一 / 2022年10月19日)
https://youtu.be/i-SGEoTnpZw?t=896


■ 日本の会計検査院が、PFI事業の不適切業務と、従来方式よりもPFI方式の方が割高であることを指摘。
https://note.com/gifu_water/n/n3fc77773f1e4

■ 岸田文雄 内閣の「新自由主義からの転換」は衆院選用の芝居。実態は「デジタル田園都市国家構想実現会議」の構成員に竹中平蔵、野田由美子を登用。
https://note.com/gifu_water/n/nd0f5f50edea7

■ 岸田文雄 内閣が、インフラへの「PFI」導入を推進。自民・公明・維新への落選運動、「PFI」反対派候補への支援、戦略的投票がインフラ民営化阻止に繋がる。
https://note.com/gifu_water/n/n33860fbaf440


■ 衆議院 内閣委員会 質疑(2022年11月18日)
https://youtu.be/4EoPQJxwjTc?t=390
https://twitter.com/NthKokkai/status/1593452867074985989