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テクノロジーに喰われる

 東京駅は、「マイペース」を許さない空間だ。
 通る度に、息苦しさを感じている。

 

 せかせか歩くマジョリティによって、そこのスピードは決められており、ゆっくり歩いていたりすると、必ず邪魔になる。
 ただ自分のペースで歩くだけで、誰かの走行を妨げてしまう。

 

 ぶつかられたり。
 舌打ちされたり。
 睨まれたり。

 

 私自身も、その故とても進みづらい。

 

 だから、東京駅にいると、自然と速く歩くようになる。
 目に見えない大きな流れに強いられて、そうせざるを得ないのだ。

 それはまるで、現代社会の縮図のよう。

 

 殊に、テクノロジーの発展がまさにこのようなものだと思った。

 最近になって特に、テクノロジーが「生活が便利になる」を言い訳に、どんどん私達の空間を侵略しつつあるのを感じる。

 

 身近な例として、例えばパソコン。
 ひと昔前までは、パソコンなんてあれば便利だが、無くてもこれといって困ることは無い、ただそれだけの存在だった。
 だが今はどうだろう。
 作業が出来なければ、就職も出来ない。
 小学校から既にプログラミングを学ぶようにもなっている。
 子供から大人、お年寄りまで、パソコン知識が無ければ暮らしていけない環境になってしまった。

 

 そしてスマートフォン。
 「多機能で、ちょっぴり便利でおしゃれな携帯」だったものが、すっかり人々の生活形態を変えつつある。
 中国では、既にスマートフォン操作が出来なければ、現金があっても買い物さえ出来ない、そんな状況になっている。
 いつか日本も、いや、全世界がそうなっていく。

 スマートフォンを使いこなせるかが、生きるか死ぬかにかかってくる。

 

 今後は更に、AIや自動運転、5G等の技術によって生活は占めつくされるであろう。

 現代社会で生きる残れるかどうかが、テクノロジーを受け入れるかどうかにかかっていると言っても過言ではない。
 いつか、テクノロジーが暴君化し、人々を支配する時代が来るだろう。

 

 「あったら便利」ではなく、
 「無ければ生きていけない」。

 

 そうなってしまった時、人は確実にテクノロジーに喰われる。 

(はてなブログ同時掲載:https://www.gifteddecoboko.com/entry/2019/04/25/080000

(画像素材元:https://ja.pngtree.com/)

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