「どこ行っても同じ」な訳がない
ブラック会社に勤めていた頃、よく上司に
「お前そんなんじゃどこ行っても同じだぞ」
なんて言われていた。
私は当時、上司が言っていることは全て正しいと信じていた。
その為、そう言われる度に「そうなのか、私はどこいってもダメなやつなんだ」と思い込んだ。
次第に自己嫌悪に陥り、どんどん仕事が出来なくなった。
何をしても上手くいかず、いつもビクビクしていた。
ついに身体が壊れ、結果、退職。
実家で休みながら再就職を考えていたが、自己肯定感はもうボロボロだった。
こんな自分を受け入れてくれる会社なんて絶対ないだろうと、ただただ悲しくて、途方に暮れていた。
そんな中、「大学院に通いながら、アルバイトして鍛えてみたら?」と、親から提案を受けた。
大学院での学習を通して、長年中国で暮らした故弱まってしまった日本語力をパワーアップさせるのと、
「とにかく社会経験を積め」
とのことだ。
研究活動し、且つ空き時間を利用してみっちり働く。
このように2-3年生活しながら、武器となる語学力を磨き、且つ社会勉強をし、卒業までに再就職の準備を整える、という計画だ。
私は喜んでその提案を受け入れた。
そしてありがたいことに、親は喜んで学費を出してくれた。
一日でも早く借りを返し、親孝行もしたいという願いで、私は早速大学院試験を受けた。
その後、無事合格。
私は大学院生になった。
が、安心してのらりくらりとしている暇はない。
知識・経験・スキルを積んで、私は再就職を目指すのだ。
講義の時間割に合わせ、空いている時間さえあれば、とことんアルバイトのシフトで埋めた。
最大3つのバイトを掛け持ちしていた時もあった。
簡単な検品作業から塾講師まで。様々な職種にチャレンジした。
色々経験して気付いたことは、職場の雰囲気は本当にそれぞれだということ。
規則も様々で、
ある場所での「常識」は、
別の場所での「あり得ない」ということもあった。
そしてもう一つ、大きな発見があった。
人は、
「お前はダメだ」と言われる職場では、
本当にダメ人間になるが、
「大丈夫!」と励まされ続ける職場では、
ぐんぐん実力が上がる。
この二つの職場の徹底的な違いは、
ミスをした時、
どう指摘するかにあった。
頭ごなしに怒鳴られる職場では、人は育たない。
「反省しろ!」と怒られても、そもそも反省ポイントも何も教わっていないので、どうしようもないのだ。
甚だしくは人格をも否定される。それだともう仕事どころではない。
だから日に日に弱気になり、ミスが多出してしまう。
逆に、部下がメキメキ育つ職場は、「お前なら大丈夫だ!」と力付けてくれる。
間違いがあればもちろん叱ったり指摘したりはするが、それと同時に「なぜいけないのか」も細やかに教える。
それによって問題が明確になるので、具体的な解決策も出る。
一つ一つ克服していくうちに、部下に「私も出来る!」という自信がつき、やる気も湧くのだ。
これを知ってから、私はダメ出しばかりのバイトを次々とやめた。
部下をしっかり育ててくれる上司の元、自信感と知識、スキルを付けた。
そのおかげで、アルバイトでの経験を活かし、めでたく再就職が出来たのだ。
「お前そんなんじゃどこ行っても同じだぞ」?
そんなことないね。
実際、私は
環境と周りの人の対応によって、
「ダメ」にも「大丈夫」にもなれたのだ。
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