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ゆったり登校(1)

長男について、学校の先生が相手となる時、合う先生と合わない先生がはっきりしているように思っていた。そのため新年度の先生の異動、そして担任の先生が誰になるのかが極めて重要になると思っていた。

新しい学年になって、担任の先生が持ち上がりになったと知った時はほっとした。他の先生については、一番残念だったのが長男が慕っていた司書さんが他の学校に行ってしまったことだった。いつかお世話になったお礼を直接伝えたいと思っていたが叶わずとなってしまい、代わりに司書さんを派遣している企業に問い合わせてみたところ、直接の連絡は不可であるものの、お礼の連絡があった旨は伝えて下さるとのことで有難くお願いすることにした。

あれだけ入り浸っていた図書室だったが、慕っていた司書さんがいなくなった途端、殆ど足を運ばなくなったようだ。図書室というより、司書さんがいるから行っていたのだろう。

代わりの居場所をどう確保しているのかと思いきや、今年度転入してきた図工の先生と気が合うことに気付いたらしく、現在ほぼ毎日、大半の時間を図工室で過ごしているらしい。

ある日、図工室に誰も居ないだろうと思って入り込んだら先生がいて、「おはよう」と声を掛けてくれて軽く立ち話をした後、「居て良いよ」と言われたことがきっかけで通うようになったようだ。

図工の先生は「授業は出なくていいの?」とか、そういう事は一切言わないらしい。代わりに、図工で参考にするために持ってきている漫画を沢山読ませてくれるそうだ。あとはどういうわけかシン・ゴジラの映画まで見せてもらったと言っていた。

担任の先生からも、図工の先生は許容幅の広い先生と聞いていて、長男のような子に対して理解があるらしいのだ。他の学年が図工室にいる間も、長男は図工室に併設された工具室のような所で静かに過ごしているらしい。

親としてはほっとしている。これまでこういったことについても悩んだ時期があった。しかし今思うのは、そういった環境なしに、全員が「ちゃんとしなさい!」と言うようだと長男は息が詰まるだろうと言うこと。

一方で、担任の先生には申し訳ない気持ちもあって、せっかく長男のために算数オリンピックの問題を探してくれたりと授業中に教室で意欲的に取り組めるように工夫してくれていたのに、長男がそもそも教室にほとんどいない状態になってしまった。

申し訳ないため、個別課題は減らすか、場合によってはなくしても良いかも知れないと思っている。長男も一時はそういった課題を喜んでいたものの、勉強か自由に過ごすかだと後者の方が良いのだろう。個別課題を準備する手間も省けて長男ものんびりできるならWinWinと考えるべきかもしれない。

何より、この2月から塾が以前にも輪を掛けて大変になっていて、勉強は嫌と言うほどしている。むしろオフが作れなくなっていた。思えば時期を同じくして、スクールカウンセラーから言われていたのが、長男が学校で読書したりパソコンをする時の姿が文字通り「食い入る」ようになっていて、最近何かありましたかと訊かれていた。家で休めないため、学校でむさぼるように休憩しているのだと思う。

スクールカウンセラーからも、学校が自分の思う様にカスタマイズできる場所であるなら、それで良いのでは無いでしょうかと言われている。学校の先生方がそう思って見守ってくれている間は問題も起きないだろうし、親としてもこのまま穏やかに学校生活を楽しんでくれればと思っている。

(2)につづく